把瑠都 大関も圧倒!昇進に近づく9連勝

[ 2010年3月23日 06:00 ]

魁皇を激しく攻める把瑠都(右)

 大相撲春場所9日目は22日、大阪府立体育会館で行われ、大関昇進を狙う把瑠都が、今場所初の大関戦で、魁皇に対し、もろ手突きから右四つの体勢をつくって万全の寄り。無傷の9連勝となり、13勝以上が条件とされる大関昇進に、また一歩近づいた。横綱・白鵬は豊ノ島を押し出して無敗をキープしたが、平幕・時天空は雅山に敗れて今場所初黒星。白鵬、把瑠都が全勝で、それを日馬富士と時天空が1敗で追う展開となった。

【取組結果


 大関以上に大関らしい勝ちっぷりだった。幕内最多勝利記録を持つ魁皇に対し、把瑠都はいとも簡単に右四つの体勢をつくって力強く寄り切った。「プレッシャーはありますが相撲は相撲」。花道を引き揚げ、支度部屋に座った途端に「はあ~」と大きなため息をつくなど大関獲りへの重圧は日に日に増しているが、それをもはねのける“強さ”が今の把瑠都には備わっている。

 魁皇には過去3勝5敗と負け越しており、昨年の春場所と九州場所では強引な小手投げを食らって敗戦。それだけに「いろいろ考えて準備してきた」と研究を重ねてきた。曙、貴乃花ら、かつての横綱の映像を参考にした“もろ手”で立ち合いから突いた。ベテラン大関の怪力相撲を警戒しつつも「まわしを取れればいい」と大関を軽くいなして、狙い通りにガッチリと左上手を握った。右四つ十分。万全の寄りで上位戦の第一関門を突破した。

 大関獲りに向け、強力な援軍も現れた。日本エストニア友好協会の本部がある北海道・釧路市では、千秋楽に市民が集まって把瑠都に大声援を送る計画を進めている。関係者が「このまま大関昇進を順調に決められそうであれば、一般開放した会場に100人以上を集め、巨大スクリーンを見て応援する予定」と明かすなど、“把瑠都フィーバー”は日増しに強まっている。

 今場所初の大関戦を制した把瑠都は「一日一日気合を入れていくだけ」と謙虚な姿勢を貫き、大関昇進についても「まだ早い」と自らに言い聞かせた。怪力相撲で一時代を築いた魁皇に「大関の力はある」と言わしめた25歳。あと4勝に迫ったノルマに向け、連勝街道を突き進むだけだ。

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2010年3月23日のニュース