復活の27歳が五輪フィギュアの台風の目になる

[ 2010年1月22日 09:56 ]

 【フィギュア欧州選手権男子】前回覇者のジュベールが試みた2種類の4回転ジャンプはいずれも不発だった。次に滑ったプルシェンコは冒頭で4回転―3回転の連続ジャンプを鮮やかに決め、4年を経ても埋まらぬ実力の差を見せつけた。復帰から無傷の3連勝でバンクーバーへ乗り込むトリノ五輪王者は「五輪では4回転を2度跳ぶ」と宣言した。

 いつになく能弁だった優勝の記者会見で、4季ぶりの復帰を決意させた一因がライバルたちの技術の停滞にあることをうかがわせた。「最近2年の世界チャンピオンが4回転を跳ばずに優勝したなんて、ありえないことだ」。フリーで2度の4回転ジャンプを入れるは、勝つための戦術であると同時に、男子フィギュア界への苦言のようでもある。
 4回転ジャンプを回避する安全策では、プルシェンコに勝負は挑めない。「五輪では今日よりもっといい滑りをする。残された日々でさらに練習する」と余裕の笑みを浮かべる27歳が、台風の目になるのは間違いない。(共同)

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2010年1月22日のニュース