白鵬、またしても痛恨…7場所ぶりの1場所2敗目

[ 2010年1月22日 06:00 ]

<初場所12日目>白鵬(手前)を送り出しで破る日馬富士

 大相撲初場所12日目は21日、東京・両国国技館で行われ、横綱・白鵬が2敗目を喫し、優勝争いから一歩後退した。大関・日馬富士との激しい突っ張り合いの際、右張り手がまさかの空振り。これで体勢を大きく崩し、背後を取られて送り出された。白鵬が1場所で2敗するのは08年九州場所以来7場所ぶり。朝青龍との決定戦を視野に、残り3日間を全勝するしかない。

 あっけない幕切れに、土俵上には座布団が乱れ飛んだ。中途半端な立ち合いとなった白鵬は差し手が取れず、日馬富士の素早い突き、押しで上体を起こされた。張り手で応酬したものの、相手に右にいなされた瞬間、繰り出した右張り手が大きく空を切り、前のめりに体勢を崩した。そのまま背後を取られると、なすすべもなく送り出された。
 08年九州場所以来7場所ぶりの1場所2敗目。しかも、その九州場所で2敗目を喫したのと同じ日馬富士(当時は安馬)にまたも敗れた。「自分なりにちゃんと見ながら行ったつもりだった。差し手は左でも右でもという気持ちはあった」。これで日馬富士との対戦成績は14勝7敗だが、横綱昇進後では9勝7敗。苦手意識が強い分だけ慎重に戦ったはずだっただけに、悔しさも倍増だった。
 気掛かりなのは白鵬の体調面だ。7日目の把瑠都戦で1敗目を喫した際には左すねを痛め、苦痛に顔をゆがめる姿が見られた。また、その7日目以降は、朝稽古を休むことも度々。20日も予定していた部屋での調整を急きょ取りやめた。本人は「疲れのせいにしたくない」と体調面の落ち込みを否定したが、指導する熊ケ谷親方(元幕内竹葉山)は「腰がバリバリに張っている。我慢してやっているはず」と心配顔だ。
 朝青龍が魁皇を下し1敗を守ったため、優勝争いから一歩後退。とはいえ、千秋楽での横綱との直接対決を含め残り3日間全勝すれば、まだ決定戦に持ち込んでの“自力V”の可能性は残されている。白鵬は「あと3日間本当に最後まで(自分の相撲を)取りきるだけです」と必死に前を向いた。万全ではない状態での残り3日間。白鵬にとってはいずれも厳しい戦いとなりそうだ。

続きを表示

2010年1月22日のニュース