取り戻したジャンプ!真央ちゃん、さあ五輪舞台へ

[ 2009年12月27日 22:13 ]

女子で4連覇を果たし、観客から祝福される浅田真央

真央ちゃんV!つかんだバンクーバー切符!

 【フィギュア全日本選手権・女子フリー】苦手のSPで首位に立ったとはいえ、1・28点以内に4人がひしめく大混戦。浅田は「一つも取りこぼせない」と緊張感を持って氷に立った。
 冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めると、ラフマニノフの「鐘」が織りなす荘厳な世界に観客を引き込む。「(3回転半を)2回やるのは負担がある」と連続ジャンプは2回転半―2回転に。安全策は奏功し、その後のジャンプも次々と決まった。
 不振だった序盤戦は「自分のジャンプじゃなかった」と振り返る。復活への鍵は、やはりジャンプ。「自分のものにすれば、あとは集中するだけ」と立て直しを図ってきた。
 5位と惨敗した10月のロシア杯後、試合形式の練習方法を週末に取り入れた。さまざまな滑走順を想定し、ウオーミングアップ、6分間練習、本番と、より実戦を意識して滑り込んだ。「毎日が充実していた」。少しずつ自信を取り戻した。
 五輪の前哨戦といわれた今月初旬のGPファイナルは進出できなかった。テレビで観戦すると、序盤戦の勢いに陰りが見えるライバルのキム・ヨナ(韓国)がいた。誰だって完ぺきであり続けることは難しい。浅田の表情に元気が戻ってきたという。
 優勝で自動的に代表入りしたが「もう決まったんですか?」と言って笑いを誘った。順位や結果よりも、まずは納得できる演技を目指す浅田らしい言葉だった。
 「すごくいい手応えも得た。初めての五輪では思い切り楽しめればいい」と晴れやかな胸中を言葉にする。フィギュア王国となった日本の女王として、4年に1度の大舞台に挑む。

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2009年12月27日のニュース