世界選手権で銅一つ…厳しい状況続く男子

[ 2009年9月28日 19:25 ]

 デンマークのヘルニングで27日まで行われたレスリングの世界選手権で、日本男子のメダルはフリースタイル66キロ級の米満達弘(自衛隊)の銅1個に終わった。予想された苦戦とはいえ、日本協会の佐藤満強化委員長は「残念。メダル2個は取りたかった。甘くなかった」と語った。

 国内合宿のたびに体力を測定するなど、基礎体力向上を旗印としてきた。米満のほか3位決定戦に出たフリー60キロ級の前田翔吾(日体大)ら軽量級は可能性を示したが、海外の層が厚い中量級以上は初戦突破にも四苦八苦。1回戦敗退したフリー84キロ級の松本真也(警視庁)は「組み合うのでなくもっと手と脚を動かさないと」と、いなす技術の必要性を痛感した。
 近年の男子は、五輪出場自体が難しい。フリー、グレコローマンとも2002年に階級が8から7に減少。国際レスリング連盟は五輪で実施する女子の階級を将来的に現在の4から7へ増やしたい考えだが、男子の枠が現状より広がる可能性は薄い。
 12年ロンドン五輪出場権をめぐる険しい道のりが待つ。米満は「自分はまだまだ。トップレベルには通じない」と話した。佐藤強化委員長も「体力がないと戦えない。可能性のある選手をどんどん海外へ出す」と、危機感を再確認した。

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2009年9月28日のニュース