三洋電機・田辺「消化不良でしょう?」

[ 2009年9月28日 06:00 ]

 ラグビーのトップリーグは、三洋電機がコカ・コーラウエストのセットプレーに苦しみながらも、FB田辺淳(31)が3ゴール、3PGで15得点を挙げるなどしてリードを広げ、33―11で振り切った。唯一、開幕4連勝として勝ち点を18に伸ばし、首位を堅守。NECは九州電力との接戦を13―7で制し、今季初勝利を挙げた。4連敗の九州電力は、7点差以内の敗戦による今季初の勝ち点1を挙げた。

 三洋電機らしくない堅実な試合運びを支えたのは、田辺だった。前半は17―6だったが、風下の後半は敵陣で反則を得ると、PGを選択した。田辺は「消化不良でしょう?」と笑ったが、じわじわと点差を広げたPGの効果が、勝利を呼んだ。
 相手の強いセットプレーと徹底したキック戦法に苦しんだ。「終始、相手ペースだった」と話した霜村主将は迷わず田辺に託した。飯島監督が「物凄く練習しているのを全員が知っている」という信頼は大きかった。
 田辺は昨年6月に右ひざの前十字、後十字、内側側副じん帯を断裂する大ケガを負った。手術による1年間のブランク。「もう元に戻らない。新しい自分に」と励んだ練習が現在を支える。全員が苦戦を認めながら「でも、勝つことが大事」と話した試合。取りこぼさない三洋の重要なピースが、この日の陰の主役だった。

 <コカ・コーラウエスト敗戦の中に収穫あり>向井監督は「前半は思うように戦えた。後半に要所でターンオーバーがあった。それがなければ」と悔やんだ。防御からの逆襲に威力がある三洋対策で、徹底したキック戦法をとった。ペースは与えなかったが、密集の厳しさは相手が一枚上。「勝つつもりだった」だけに「ボールが出なければ、話にならない」と相手の強さを認めた。「戦術も浸透してきたし、選手層も厚くなった」と自信を持つ今季。2勝2敗ながら敗戦はサントリーと三洋電機戦だけに、今後に期待できそうだ。

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2009年9月28日のニュース