「師」に並んだ!尾崎「一緒に喜びたい」

[ 2009年8月23日 21:27 ]

女子マラソンで2位になった尾崎好美。後ろはブランデンブルク門

 【世界陸上・女子マラソン】後半勝負には自信があった。30キロを過ぎて4人に絞られた先頭集団。故障を乗り越え、遅咲きの新星と期待される28歳の尾崎は「師を超えたい」という思いで走った。指導を受ける山下佐知子監督は1991年東京大会の銀メダリスト。1人脱落して3人になった35キロ付近からは積極的に先頭で勝機をうかがった。

 世界記録保持者のラドクリフら欠場者が相次ぎ、本命不在のレースだった。40キロを過ぎて白雪と2人の優勝争いに。41キロ付近で白雪のスパートに屈したが、師と同じ銀メダルのゴールに飛び込んだ。
 「メダルを持って帰れてうれしい。山下監督には、ありがとうと伝えるとともに、一緒に喜びたい」と充実感に浸った。
 春先に腰を痛め、一時は歩行も困難な状況だった。だが回復とともに目標も変わった。5月は「スタートライン」、6月は「完走」、7月は「レースの流れに対応したい」と。それがレース前は目標が「入賞」になり「メダルも狙えるかな」と自信を深めていた。
 脚が長く、バランスの良い体から生み出される美しい走り。昨年11月、30年の歴史を締めくくった東京国際女子でマラソン2戦目で初の栄冠に輝いた潜在能力の高さを、世界の舞台でも見せた。
 山下監督は「センスがあるわけではないが、とにかく我慢強いので性格はマラソン向き」と評する。貧血に悩まされ、ひ弱だった体も強くなった。じっくり育ったヒロインが花を咲かせた。(共同)

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2009年8月23日のニュース