表彰台まであと一歩…恩田「ぼくが試合を支配した」

[ 2009年3月13日 09:17 ]

 2季前にもマークした4位だったが価値が違うと実感した。距離スプリントで28歳の恩田は念願の表彰台を逃したが「前回は追い込んでの4位。今回は完全にぼくが試合を支配した。力がついている」と、強豪と互角に争った充実感に浸った。

 シーズン中盤までの予選すら突破できない姿とは別人だった。「後半勝負と思った」と、準々決勝、準決勝の序盤は後方で力を残し、会場前の上りでトップに立った。6人の決勝でもノルウェー勢を抑えて同じ上りで首位になった。観客が悲鳴のような声を上げた。
 だが、表彰台は最後の直線でするりと逃げた。必死でストックを突いたが、世界王者のハッテスタらに並ばれ、そして抜かれた。「悔しい。3位以内はいけると思った」。倒れ込み、しばらく動けなかった。
 夏場に追い込みすぎて今季は苦しんだ。27位に沈んだ世界選手権で「来季駄目なら引退する」とまで言った。ようやく胸を張れるレースをして「やってきたことは間違ってないと分かった」とほほ笑んだ。3位までを占めた距離の本場ノルウェー勢の地元で、自らの力を再確認した。表彰台を見つめ「あの一角をなんとか崩したい」と声に力を込めた。(共同)

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2009年3月13日のニュース