異例緊急力士会!立ち合い問題を討議

[ 2008年9月27日 06:00 ]

魁皇(左)を寄り切りで下した白鵬

 立ち合いの正常化をめぐる混乱を受け、十両以上の力士による緊急力士会が10月5日に両国国技館で開かれ、対応を協議することになった。白鵬の呼びかけで開催されるもので、行司を交えて正しい立ち合いの形を再確認する。武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)は両手をつくことを求めているが、力士会でどのような話が出るか注目される。優勝争いは1敗の白鵬が魁皇を下して単独首位をキープ。琴光喜と安馬が1差で続いている。

 いっこうに収まる気配がない立ち合い問題。事態を収拾するため、関取衆が異例の力士会の開催を場所中に決めた。

 取組後の支度部屋。千代大海が経緯を明らかにした。「力士の間で立ち合いをどうしたらいいかという声が出て、横綱(白鵬)が声をかけたと聞いている。片手を静止してもう一方の手をちょんづきするのはいいけど、両手のちょんづきはダメだと言われ、千代白鵬が注意された。(力士会には)行司さんにも入ってもらった方がいい」

 混乱が続く背景には、トップと現場の見解の不一致がある。武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)は両手をつくことがルールと通達を出したが、正しい形が力士たちに理解されておらず、3日目の白鵬-琴奨菊戦では、白鵬が勝ったかに見えた取組がやり直しとなった。12日目には千代白鵬と嘉風の一番が5度も不成立となり、審判部に呼び出され厳重注意を受けた。この日も時天空-稀勢の里戦で、相手の手付きが不十分と感じた時天空が待ったを期待して棒立ちになり、無抵抗のまま押し出されるぶざまな一番があった。時天空は「止めてくれるかと思った」と不満を漏らしたが、稀勢の里の両手はちゃんと土俵についており、問題ない立ち合い。手付きに神経質になりすぎて自滅した形だった。

 立ち合い不成立の続出に、力士の間では不満が高まっていた。力士会の開催を呼びかけた白鵬は、横綱が自ら声をかけたのか?という質問には「ノーコメント」と口をつぐんだが、魁皇は「力士の個人的な意見じゃなくて力士会の意見を聞いてもらうことが大事」と意義を強調した。臨時の力士会が開催されるのは、時津風親方(元幕内・時津海)の引退相撲が行われる10月5日。武蔵川理事長も「確認し合うのはいいことだ。審判部長が説明に行ってもいいだろう」と話した。

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2008年9月27日のニュース