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セクシー旋風から20年! 元野洲高監督の山本氏が新事業 「部活をなくしていいのか」

[ 2025年8月4日 17:00 ]

公立校の部活動をリブランディングする一般社団法人を設立した元野洲高サッカー部監督の山本氏
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 滋賀県立野洲高校サッカー部の元監督で2005年度の全国選手権を制した山本佳司氏(61)が一般社団法人「Yasu Style(YS)」を設立した。公立校部活動のリブランディング事業を展開する。8月から活動を本格的にスタートし「まずは野洲高校を中心に野洲市と連携して事業を進めていく。モデルケースをつくって同じような境遇にある公立中高にノウハウを提供したい」と意欲を見せた。

 高校無償化により私立高校への進学を選択する家庭が増加。大幅な定員割れで存続の危機に立たされる公立高校が今後は急増することが予想される。並行して公立高校の部活動を取り巻く環境も厳しさを増している。潤沢な資金で指導者、グラウンドなどの練習環境を整える私立に有力選手が流れ、少子化による部員不足も深刻。国が部活動の地域移行を進めるが、地方では外部の受け皿がなく所属チームがなくなり競技を諦める生徒も多い。

 YSは支援母体となる法人を設立することでOBやOGら支援者を見える化。スポンサー営業やスクール事業、物販事業など新たな収入源をつくり、部に還元することを目指す。目玉となる部活動が生まれれば、かつての野洲高校のように学校全体のブランディングにもつながる。

 “セクシーフットボール”を代名詞に元日本代表の乾貴士(現清水)らを擁して一世を風靡(ふうび)した野洲高サッカー部も近年は苦戦。全盛期は120人を超えた部員も今は40人に満たない。2年生は3人だけ。全国制覇後に県の支援を受けて整備した人工芝グラウンドは劣化が激しいが、改修する予算はない。現状を打破できなければ、数々のJリーガーを輩出してきた名門でさえ存続危機に陥り兼ねない現状がある。

 山本氏は「顧問がいなくなった途端に部活がなくなるのが今の滋賀県の現状。日本の部活動をそんなに簡単になくしていいんですかという話。日本人は部活をやることによって、そこでしか学べなかったことがあると思う。公立高校でもやり方さえ考えればできることを示したい」と視線を上げた。

 昨年度限りで定年を迎え、現在は今秋に自県開催の国スポを控える滋賀県のサッカー少年代表の強化部長を務める。還暦を過ぎてもサッカーへの情熱、チャレンジ精神、バイタリティーが衰えることはない。「公立高校をリブランディングして、もう一度ワクワクしたい」。部活動の可能性を示す新たな挑戦が始まった。(木本 新也)

 ◆山本 佳司(やまもと・けいじ)1963年(昭38)11月3日、滋賀県生まれの61歳。日体大でレスリング部に所属。大学4年時にドイツのケルン体大へ留学してサッカーと出会う。帰国後体育教諭となり、滋賀県立水口東高サッカー部の監督に就任。当時ACミランが採用していたゾーンプレスを導入して県内の強豪に押し上げた。1996年に野洲高に赴任し、2001年度に選手権初出場して8強入り。2005年度に滋賀県勢初の全国制覇を成し遂げた。甲南高教頭、甲南高養護学校副校長を経て2024年度に定年。今秋に国スポを控える滋賀県のサッカー少年代表の強化部長を務める。

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