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なでしこJがジッダ入り イングランド待機の4選手も合流 直前まで開催地未定の大混乱の中…

[ 2024年2月21日 16:55 ]

駆けつけたサポーターの横断幕の前で笑顔の(左から)古賀、上野、清家、平尾、田中美、熊谷(撮影・沢田 明徳)
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 日本サッカー協会は21日、パリ五輪アジア最終予選第1戦で24日に北朝鮮代表と対戦する女子日本代表「なでしこジャパン」が、開催地のサウジアラビア・ジッダに到着したと発表した。

 20日夜に成田を出発したなでしこジャパンは、ドーハ経由、ドバイ経由でジッダ入り。

 イングランドで待機していた清水梨紗、林穂之香、長野風花、植木理子の4選手も合流した。

 今回の試合をめぐっては開催地が直前まで決まらない混乱が起きた。19日にアジアサッカー連盟(AFC)からジッダ開催で準備するよう連絡が入った。開始時間など詳細は正式通達されないまま、チームは20日夜に離日。前代未聞の“アウェーの洗礼”にMF熊谷紗希(33=ローマ)は怒りをあらわにした。

 「ここまで(決定が)延びた状況は北朝鮮の方が調整の部分で右往左往したことが経緯かなとしか、我々は分かりません」と複雑な心情を吐露した。

 関係者によると、北朝鮮側が中立地として中国・大連を希望したものの中国側が断ったため、最終的にAFCがジッダ開催の方針を固めた。日本協会は19日にAFCからの指示を受け、ビザ取得など準備を開始。チームは20日の午前練習を終え、同日夜に成田空港から2便に分かれて慌ただしく出国した。

 今回の騒動で一番割を食ったのは開催地発表を待たずに帰国した欧州組5人だ。今回の2試合で欧州―日本―中東―日本と合計で約3万キロを移動する強行軍となった。特にローマ所属の熊谷と南は19日に帰国し、日本に1泊しただけで出発。開催地決定が早ければ、ロンドンで待機していた4選手と同様に欧州から現地入りできただけに、熊谷は「正直、こんなことはあってはならないと思う」と憤りを隠さなかった。11年W杯制覇をはじめ、百戦錬磨のベテランにとっても経験のない異例の事態で、「選手は試合に向けて準備するのが仕事。オーガナイズする方も(選手を)ベストコンディションで臨ませる責任はある」と苦言を呈した。

 試合開始時間は未定で、北朝鮮代表の詳しい動向も不明。第1戦が確実に開催される保証すらないまま、突然の長距離移動を強いられることになり、池田太監督は「憤りというエネルギーは相手と戦うエネルギーに使おう」と大一番に向けて選手に訴えかけた。

 【開催までの経過】
 ▽2月8日 日本協会が敵地での第1戦について、平壌・金日成競技場での開催から一転、未定になったと公表

 ▽13日 千葉市内で合宿開始

 ▽18日 長谷川ら欧州組3選手が合流

 ▽19日午前 北朝鮮側が希望していた中国・大連での開催案がなくなり、サウジアラビア・ジッダ開催で準備を進めるとAFCが日本協会に通達。欧州組の熊谷と南が帰国、長野ら4選手はロンドン待機

 ▽19日午後 選手らのビザに関する手続き完了

 ▽20日午前 午後3時開始予定だった全体練習を約5時間前倒し。佐々木委員長が取材対応

 ▽20日夜 成田空港から2便に分かれて出国。長野ら4選手は経由地で合流

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