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J2甲府 ACL1次L首位突破 39歳ウタカ2発 各国通じ2部勢の決勝T進出は史上初

[ 2023年12月13日 04:15 ]

<甲府―ブリラム>前半、チーム2点目のゴールを決め、駆け出す甲府FWウタカ(右)
Photo By 共同

 1次リーグ最終戦が行われ、東地区H組の甲府がアウェーでブリラム(タイ)を3―2で下し、3勝2分け1敗の勝ち点11として同組首位で、J2勢として初の決勝トーナメント進出を決めた。前半24分にMF長谷川元希(25)のゴールで先制し、同38分、43分にFWピーター・ウタカ(39)が追加点。後半に2失点したが、逃げ切った。I組で既に突破を決めていた川崎Fはアウェーで蔚山(韓国)と2―2で引き分け、5勝1分けで1次リーグを終えた。

 敵地まで訪れた500人を超すサポーターの前で、39歳の大エースが歴史の扉を開いた。1―0で迎えた前半38分、FWウタカが左クロスをペナルティーエリア中央で収めると、冷静にゴール左に流し込んで追加点。同43分にも右CKのこぼれ球を押し込んで貴重な3点目を挙げた。偉業を成し遂げた殊勲者は「本当に最高。2点を決めて勝利につながったのは大きい」と胸を張った。

 完全に主導権を握った前半から一転して後半は開始から約10分で2点を返され、苦しい時間が続いたが、逃げ切った。交代枠も使い切った総力戦で勝利をもぎとり、篠田監督は「日本を代表して選手たちは走ってくれた。1位で通過できたことは素晴らしい」と目を細めた。

 初優勝した昨年の天皇杯では、J2ながらJ1クラブを5連続撃破してACL出場権を獲得した。その勢いさながらにACL1次リーグでもアジア各国の有力クラブを破り、オーストラリア王者のメルボルンCとの首位争いも制した。各国を通じ、2部リーグのクラブが決勝トーナメントに進出するのは初めて。J2クラブのACL出場は無謀な挑戦ともみられていたが、地方の小クラブが周囲の予想を覆した。

 決勝トーナメントは来年2月に開幕する。J2で8位とJ1昇格を逃した今季と同様、来季も熾烈(しれつ)なJ1昇格争いとACLという厳しい戦いが続く。「どんな状況でも100%を出すことをやってきた」とスタイルに自信を見せる篠田監督の下、再び世界を驚かす戦いに挑もうとしている。

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