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浦和GK西川 感謝の独占手記 ACL制覇の原動力は3シーズン分の人々の思い

[ 2023年5月7日 04:45 ]

ACL決勝戦第2戦   浦和1-0アルヒラル ( 2023年5月6日    埼玉 )

<浦和・アルヒラル>トロフィーを掲げる西川(撮影・西海 健太郎)
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 祝ACL制覇!14年から浦和所属で10年目の節目を迎えたGK西川周作(36)はこの日もファインセーブを連発し、完封勝利に貢献。アルヒラルに敗れて準優勝に終わった19年のリベンジに燃えていた大ベテランが、スポニチ本紙に独占手記を寄せた。また、浦和OBで元日本代表DFの槙野智章氏(35)が勝因に迫った。

 準優勝だった19年のリベンジを果たし、浦和として3回目のACL王者になることができました。応援、ありがとうございました。

 さまざまな人の思いが優勝の原動力でした。21年の天皇杯を制してACL出場権を獲得。「クラブを支え続けた阿部ちゃん(勇樹、現浦和ユースコーチ)にトロフィーを」という気持ちで、浦和を去ったマキ(槙野智章)やウガ(宇賀神友弥)を含めた多くの人の努力が実りました。昨季はタイでの1次リーグも埼スタでの決勝トーナメントも総力戦で、オフに移籍した選手も活躍してくれた。そう考えると、少なくとも3シーズン分の気持ちが詰まっていることになります。

 自分としては、GKとして進化するためにはどうすればいいかを強く思うようになりました。その中でGKコーチのジョアンとの出会いは特別です。GK陣のお父さんのような人。常に味方で、みんなを理解してくれる。「ミスは問題ない。責任は取るから、のびのびプレーしなさい」と。GKは孤独なポジションですけど、ピッチ上では決して一人じゃなかった。

 もちろん技術面の教えも役立っています。一番の変化はゴール前の空間の閉じ方です。ゴールマウスをあまり意識しなくなったことが大きい。だからこそクロスに飛び出せるし、反復練習で正しいポジショニングを頭と体の両方で理解できているから、「この動き方をすれば問題ない」と自信を持てています。マインドセットも“打たれてからどうするか”ではなく“いかに打たせないか”にシフトチェンジ。浦和のGKチームがやっていることは子供たちにも発信していきたいです。

 家族にも感謝しています。コロナ禍で練習機会が確保できない時、子供と一緒に庭で遊んだりして、改めて「支えなんだ」と実感できるポジティブな時間になりました。そんな自分には目標があります。一つが、ナラさん(楢崎正剛)の持っているGKのJ1出場試合記録を上回ること。もう一つは2人の娘に日本代表のユニホームを着ている姿を見せることです。

 2人とも、生まれた時に代表でゆりかごパフォーマンスをしてもらったのですが、「パパが日本代表だった」というのは覚えていない。浦和とは違うユニホームを着ているパパを見せたいと思って頑張っています。アジアNo・1になれましたし、今季はリーグ戦でも優勝して、ポイチさん(森保日本代表監督)に「呼んでみるか」と思わせたいですね。

 ◇西川 周作(にしかわ・しゅうさく)1986年(昭61)6月18日生まれ、大分県出身の36歳。大分の下部組織から05年にトップチーム昇格。10年に広島に移籍し、12、13年のリーグ連覇に貢献した。14年から浦和でプレー。2度の天皇杯制覇、2度のACL優勝を支えた。J1通算無失点試合数の最多記録保持者。J1通算563試合。U―23日本代表として08年北京五輪、A代表として14年W杯ブラジル大会に出場。国際Aマッチ通算31試合出場。1メートル83、81キロ。利き足は左。

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2023年5月7日のニュース