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ブライトン・デゼルビ監督 “成長途上”三笘は「1対1の仕掛けは間違いなく世界トップの一人」

[ 2023年3月15日 05:00 ]

ブライトン・三笘(AP)
Photo By AP

 プレミアリーグに所属するブライトンのロベルト・デゼルビ監督(43)が本紙の独占インタビューにイタリア語で応じ、大ブレーク中の日本代表MF三笘薫(25)について語った。日本メディアの取材に初めて応じたイタリア人指揮官は、三笘を世界最高のドリブラーの一人だと絶賛。プレミアのビッグクラブに値するワールドクラスの選手だと断言した。その三笘の活躍も期待される森保第2次政権の初陣メンバーは15日に発表される。

 ――昨年9月にブライトンを選んだ理由は?
 「シーズン途中の就任で、難しい挑戦だったが、チームをとても気に入ったんだ。私の理想とするサッカーを体現できる選手がいたからね」

 ――理想のサッカーとは?
 「1対1にたけ、ゴールに近い位置で能力を発揮する選手がいること。チームとしては相手よりボールを保持し、個々の能力を発揮できるように、きっちりとした形でエリア内に運ぶサッカーだ」

 ――三笘はあなたが就任して力を発揮し始めた。
 「(前任の)ポッターが監督を続けていても、三笘はレギュラーになったと思う。監督に就任して、すぐに能力の高さに気づかされたよ。ワールドクラスの選手になるだろうと思ったし、実際にそうなった。いずれはプレミアリーグの上位クラブでもそういった存在に確実になるね」

 ――三笘はプレミアへの適応に時間がかかった?
 「力を発揮できる状況をつくってあげることが必要だっただけ。1対1の仕掛けでは、彼は間違いなく世界トップの一人だ。そんな彼にチームとしてドリブルしやすいボール、シュートまでいけるボールを配給する。それができれば、いつでも実力を発揮できる準備はできていたよ」

 ――就任前から三笘を知っていた?
 「実を言うと、知らなかった。でも日本に限らず、近年は韓国も多くの素晴らしい選手を輩出している。昨年のW杯で日本と韓国が素晴らしい結果を残したのも、決して偶然ではないね」

 ――三笘の最初の印象は?
 「すぐに主力になると思ったよ。ゴール数を増やすことができれば、短期間でプレミアの強豪クラブに値する選手になるだろうと思ったね。彼の最近のパフォーマンスは、私を幸せな気分にさせてくれる。たくさんゴールを決めているし、DF面でも貢献するなどチームスピリットを忘れていない。彼はとても頭の良い選手だ」

 ――能力は生まれ持ったもの?
 「その通りだ。私が指導したものでもなければ、他の監督が指導したものでもない。私は今、彼のその生まれ持った能力を最大限に発揮させてあげることだけを考えている。その能力とは、彼のお母さんが与えたもの。私は彼を毎日、鍛えているよ。“完成された選手”に育てるためにね」

 ――具体的には?
 「90分を通じて、ドリブルで仕掛け、シュートまでいくシーンを多くつくること。それと同時に、チームがポゼッションサッカーを展開する中で、サイドに顔を出すだけでなく、位置を中央に移し、ボール回しに加わり、そしてスルーパスを出すことだ」

 ――三笘の性格は?
 「三笘はまさに見本のような選手。素晴らしい選手であると同時に、とても礼儀正しい青年だ。日本は教育において、世界で最も優れた国の一つだからね」

 ――日本代表では切り札として起用されてきた。
 「代表でプレー時間が少ないなら、私は満足だよ。クラブでより力を発揮してくれるだろうからね(笑い)。他の監督の起用について、口を挟みたくない。そんな権利、私にはないからね」

 ◆ロベルト・デゼルビ 1979年6月6日生まれ、イタリア・ブレシャ出身の43歳。ACミランの下部組織出身で、現役時代は主にセリエBでプレー。34歳で引退し指導者の道に進み、18年6月にセリエAのサッスオロの指揮官に就任。ポゼッションサッカーを展開して、イタリア版グアルディオラとして脚光を浴びた。21年5月にウクライナの名門シャフタル・ドネツクと契約するも、ロシアのウクライナ侵攻によって1年で退任。22年9月にブライトンと契約を結んだ。1メートル75、67キロ。

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2023年3月15日のニュース