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【スポニチ蹴球部コラムFootひと息】京都FWパトリックは努力の達人「リラックスすると人は落ちる」

[ 2023年3月15日 07:00 ]

京都FWパトリック 
Photo By スポニチ

 リーグ戦開幕2連敗から2連勝。上昇気流に乗る京都に、今季から頼もしい助っ人が加わっている。J1通算267試合、87得点(15日現在)を誇るFWパトリック(35)は、直近3試合でフル出場。4日のFC東京戦はチーム2点目となる今季自身初ゴールを決め、13年ぶりの宿敵撃破に貢献した。J2甲府へ完全移籍したFWウタカの穴を感じさせない活躍を見せている。

 年始の練習はシャトルランなどハードワークの連続だった。実績があるベテランなのに一切、手を抜かないのが背番号9の信条だ。全力疾走を怠らない。「気持ちは常に18歳。体がどこまで耐えられるかは別問題。チームのために汗をかく、ユニホームを汚すのが僕のポリシー。経歴でリスペクトされるのではなく、今ここで何をやっているからリスペクトされる、それが一番大切。だからこそ日々の練習、仕事というのを大切にしたいし、それを見て評価されたい」。真摯(しんし)な取り組みでチームを引っ張るつもりだ。

 異国の地になじもうとする姿勢を保ち続ける。ツイッターではポルトガル語だけでなく、日本語でつぶやくこともある。18年から毎日40分~1時間、日本語の勉強を継続。カリキュラムを購入し、1人パソコンに向き合っているという。簡単な日常会話はお手のもの。ひらがな、カタカナを読み書きできる。もちろん、チームの仲間とコミュニケーションを円滑にするためでもあるが、もう一つの理由がある。「自分は努力する人間で、日々努力しなきゃいけない。リラックスしちゃうと、人って落ちていく。自分が常に頑張って日々を過ごしていけば、自分のレベルも上がっていくし、いいものになっていく」。向上心をサッカー以外の方面にも発揮し“人生の達人”を目指しているようにも見える。

 昨季はプレーオフを辛くも突破してJ1残留した京都だが、パトリックは迷いなく言い切る。「このグループを、どういうふうにして日本一に連れていくのかということを常に考えている」。クラブにとって02年度の天皇杯以来となるタイトル獲得を、本気で狙う。(北野 将市)

 ◇パトリック 1987年10月26日生まれ、ブラジル出身の35歳。13年にアトレチコGOから川崎Fに期限付き移籍で来日し、甲府を経て帰国も14年夏にサルゲイロからG大阪へ期限付き移籍で再来日。広島在籍中の19年に完全移籍し、G大阪を経て今季から京都に完全移籍で加入。1メートル89、82キロ。利き足は右。

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2023年3月15日のニュース