メディアを巻き込むことを意識した男・槙野　サッカー人気を高めようと思う気持ちは随一

体を張った守備を見せる神戸・槙野（右）
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　【記者フリートーク】現役続行か、はたまた引退か…。W杯が開催されていたカタール・ドーハで会った槙野に直球で「今後はどうするの？」と聞いた。「そのうち分かりますよ」と笑ってごまかされたが、神戸を去るのはうすうす感じていた。私が浦和担当をしていた時代から知る仲。「コロナ禍で難しかったけど、食事でも行きたかったね」と伝えると、少し悔しそうな顔で返された。

　「そうですよね。もっとメディアとクラブを近い関係にしたかった。それができなかったのは残念です」

　ハッとした。そうだった。彼はメディアを巻き込むことを常に意識した男だった。サポーターだけではなく、メディアの向こう側にいるサッカーに興味がない子も引き付けようとした男だった。批判される時もあったが、それでもサッカー人気を高めようと思う気持ちは随一だった。

　少し目立ったり、大げさに何かを言うと、すぐに叩かれる息苦しい時代。だからこそ、逆に槙野の生きざまは美しく映える。そして彼の心を継ぐ選手が現れてほしい。(大阪本社サッカー担当・飯間　健)