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天国の小嶺さんにささぐV 国見が12年ぶり選手権へ、木藤監督「時間がやっと動き出した」

[ 2022年11月14日 06:00 ]

第101回全国高校サッカー選手権長崎大会決勝   国見2─1創成館 ( 2022年11月13日    トラスタ )

<国見・創成館>勝ち越しゴールの利根(背番号9)の元に集まる国見イレブン
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 決勝が行われ、国見が創成館に2―1で勝利し、12年ぶり24度目の優勝を決めた。後半アディショナルタイムに途中出場のFW利根悠理(3年)が決勝点。国見を率いて全国高校選手権を6度制し、1月に76歳で死去した小嶺忠敏さんにささげる勝利になった。国見は12月28日開幕の全国大会に出場する。

 国見が劇的な形で12大会ぶりに選手権切符をつかんだ。前半は1―1。後半はゲームを支配しながら、こじ開けられない展開で迎えた後半アディショナルタイム。右からのクロスに途中出場で1メートル83の長身、利根(としね)が頭で合わせた。仲間にもみくちゃにされ「今日の夜ぐらいに実感が湧くのかな」。入学時から「もう一度全国で国見の名を知ってもらうこと」が目標だった。OBの木藤健太監督は「止まっていた時間がやっと動き出したかなと思います」と感慨に浸った。

 名将にささぐ勝利にもなった。今年1月、指揮官として選手権を6度制し、大久保嘉人、平山相太らを育てた元監督の小嶺忠敏さんが死去。木藤監督は「先生がどこかで見てくれているだろうという思いを感じながら戦っていました。先生ならどう声を掛けるだろう、と思うことも」と話した。18年4月に就任。昨年、丸刈りをやめるなど新しい部分も出している。「選手の反応は“よっしゃ”という感じ。好んで丸刈りにしている子もいますが」と話した。

 この日は全校応援。生徒183人中、122人がサッカー部という国見。ベンチ入りを逃した選手たちがスタンドから後押しした。12年ぶりの選手権。「自分はもっと上を目指せるチームだと思います」と利根。強い国見を見せつける。 (杉浦 友樹)

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2022年11月14日のニュース