×

中村俊輔、30年ぶりに母校に帰る 校庭には“原点”の壁 「懐かしいですね」

[ 2022年5月31日 18:46 ]

母校の50周年記念式典を訪れ、キックを実演する中村俊輔
Photo By スポニチ

 J2横浜FCの元日本代表MF中村俊輔(43)が31日、母校の深谷小学校(横浜市)の創立50周年記念イベントに参加した。実家に帰省する際に前を通ることはあっても、校舎内に入るのは卒業以来、約30年ぶりだという。231人の児童に「お帰りなさい」と温かく迎え入れられ、「懐かしいですね。建物が小さく感じて、30年過ぎたんだなと。50周年でお祝いの気持ちを込めて来たんですけど、(反対に)祝福を受けてうれしかったです」と柔らかく笑った。

 体育館で行われた約1時間のイベントでは、児童からの質問に目線をそろえて丁寧に答えていった。小学校時代の思い出を聞かれると、「理科室の前に骸骨いない?あれが怖くて…」と告白。プロになるために頑張ったことを聞かれると、「人よりうまくなりたい、うまくなるためには練習しなきゃと思って、毎日繰り返していた。一番の土台は、“絶対にこういう風になりたい”という気持ち」と話した。

 熱心に伝えていたのは、大きな目標だけでなく身近な目標も立てること。自身はプロになってから、まずはレギュラー、その次に横浜で10番&中心に、代表で10番に、そしてW杯出場、欧州CL出場…といった目標を立て、どんどん達成していった。「それでも身近な目標として、人よりうまくなりたい、(人より)練習する、というのはいつもセットでやっていた」と中村。後輩たちは目を輝かせて答えに聞き入った。

 式典にはゲストも登場した。登下校時に交通安全指導を行っている「学援隊」の、中村博之さん。普段接している児童もこの日まで“正体”を知らず、先生からの紹介で中村俊輔の父であることが明かされると「えー!!」と大きな歓声が上がった。父も見守る中、希代のレフティーはパスやリフティングでも児童と交流。時間が余ると、全児童の頭上を通り越えるロングパスをサプライズで披露し、特別な時間を演出した。

 体育館の脇の校庭には、三つの的が描かれた壁がある。小学生時代、休み時間になるたびに向かい、その壁に向けてずっとボールを蹴っていたという。「うまくなりたいの一心で、休み時間は絶対にサッカーをしていた。当時は(児童が)多かくてすぐに場所がなくなっちゃうので、壁の取り合いでした」。30年ぶりに触れた“原点”。「あの壁を見ていると、初心に帰るじゃないですけど、いい機会でしたね」と充実のひとときを振り返った。

続きを表示

2022年5月31日のニュース