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鈴鹿移籍のカズ JFL仕様の調整で2月合流、最年長出場&得点記録更新へ

[ 2022年1月12日 05:30 ]

三浦知良
Photo By スポニチ

 J2横浜FCは11日、FW三浦知良(54)がJFL鈴鹿に期限付き移籍すると正式発表した。代名詞の「11番」にちなみ、11日の午前11時11分の発表。カズはクラブを通じ「新しいチャレンジに踏み出します。Boa Sorte(ポルトガル語で幸運を、の意)」とコメント。新天地でも背番号は「11」を背負う見通しだ。

 鈴鹿は昨季4位と躍進し、三重県初のJ参入を見据える。吉田雅一社長(40)は「鈴鹿をサッカーの街に」と意気込み、実兄の三浦泰年監督兼GM(56)は「勝利するためにカズを呼ぶ」と話す。昨季終了前から獲得に動き、先月7日、クリスマス前と複数回の交渉を重ね、細かな起用プランを提案した。カズも「ずっとヤスさんの背中を見てきた。なくてはならない存在」と話しており、待望の兄弟タッグだ。

 すでに「鈴鹿仕様」へモデルチェンジも始まっている。例年なら年始に始まる第2次自主トレもJFL開幕(3月13日)から逆算し、今月中旬のスタートに変更。2月1日のチーム合流に向けて綿密な体づくりが進む。同26日に55歳になるカズは自主トレ中、日頃は口にしない玄米も食すなど新たな挑戦も忘れていない。

 ブラジル時代から数え、プロ14クラブ目。創設元年から引っ張って来たJリーグを離れ、プロアマ混在の4部相当へ。不安視される環境面も、カズは「そこは経験を生かせば自分で解決できる」と笑う。出場1分に終わった21年を脱却、8クラブによる争奪戦を経てもっとも自身を必要としてくれた鈴鹿へ。出場すればアマラオ(刈谷)の43歳9日を、得点すれば永井秀樹(琉球)の42歳50日を大幅に更新し、いずれもJFL最年長記録。また新たな地でカズダンスが見られそうだ。

 ▼鈴鹿ポイントゲッターズ・マルティネス前監督(昨年7月まで指揮。自身のツイッターで)三浦知良選手が鈴鹿でプレーすることがついに公式にアナウンスされました。鈴鹿が昇格を勝ち取ることを望んでいる私にとってもとてもうれしいニュースです。鈴鹿と三浦知良選手の活躍を祈ってます。

 ▽JFL(日本フットボールリーグ) Jリーグ入会を目指すクラブの他、企業やアマクラブなどが所属し、アマチュアにとっては最高峰の全国リーグ。今季は3月13日に開幕し、16チームがホーム&アウェーの2回戦総当たりで戦う。J3昇格にはJリーグ百年構想クラブに認定され、J3クラブライセンスの交付を受ける必要がある。その上で、JFL4位以内かつ百年構想クラブの中で上位2位に入ることが条件。一方、J参入を目指さないクラブはアマ契約、社員選手のみで戦うなどプロ、アマが混在している。

 ◇三浦 知良(みうら・かずよし)1967年(昭42)2月26日生まれ、静岡県出身の54歳。静岡学園高を中退してブラジルに渡り、86年に強豪サントスとプロ契約。90年に帰国し、V川崎(現J2東京V)ではJリーグ初の最優秀選手に輝いた。その後、ジェノア(イタリア)とクロアチア・ザグレブ(クロアチア)でもプレー。99年から京都、神戸、横浜FCと渡りJ1では326試合139点、J2で249試合24得点。日本代表では国際Aマッチ89試合55得点。1メートル77、72キロ。

 《19年からJFL参加》鈴鹿ポイントゲッターズは、09年にFC鈴鹿ランポーレとして発足。翌10年から9年間、東海1部に所属し、12、14、17、18年と優勝、19年からJFL参加。20年から現クラブ名となり、昨年2月にリーグ百年構想クラブに認定、同9月にJ3ライセンスが付与された。昨季は4位も百年構想クラブ上位2位以内に入れず、J3昇格を逃した。19年には全国リーグ所属の男子チームとしては初の女性指揮官、スペイン人のマルティネス監督を招へい。人選の始まりがグーグル検索の「サッカー 女性 監督」だったことが話題に。東海地区で唯一、Jクラブがなく三重県勢初のJ参入が目標。23年2月に完成予定の新スタジアム計画もある。活動拠点は「サーキットの街」として有名な三重県鈴鹿市。

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2022年1月12日のニュース