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“ドーハ戦士”勝矢寿延さん 「ありがとう」が最後の言葉 小嶺忠敏さんを悼む

[ 2022年1月7日 20:01 ]

勝矢寿延氏

 国見高(長崎)などを率いて1987年度の初制覇を含め、全国高校サッカー選手権を6度制した小嶺忠敏さんが7日、死去した。76歳。島原商高時代の教え子で、ドーハの悲劇を経験した元日本代表DFの勝矢寿延さん(60、現C大阪スクールコーチ)が恩師を悼んだ。

 この日の午前7時頃、知人から「亡くなった」という連絡を受けて「ビックリした」という勝矢さん。昨年11月には、長崎総科大附高が選手権予選の県大会決勝を迎える前に「頑張ってください」と連絡をし「ありがとう」と返ってきた。元気そうな雰囲気を感じていたから、なおさら驚きは大きかった。

 高校時代の思い出は色濃い。小嶺監督が半パン、上半身裸で古いバスを運転し、生徒たちを乗せて遠方まで試合に行く。道中、山の中でエンジントラブルが発生し「全員降りろ!」と言われたこともあった。練習も含めて厳しかったが、熱意とともに愛情があった。

 「サッカーだけじゃなくて、1人の人間としていろんなことを教えてもらった。ご飯を食べた後の片付けに始まり、礼儀や作法。合宿で泊まりにいけば、布団や毛布をきれいにして帰っていた。今では、サッカーの指導だけをしておけばいいという風潮もあるかもしれないけど、それ以外のところでも指導するのが先生だった。もっといろんなことを教わりたかったです」 

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2022年1月7日のニュース