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森保ジャパン トラブル乗り越え白星も…B組最下位ベトナム相手にわずか1点

[ 2021年11月12日 05:30 ]

W杯アジア最終予選   日本1―0ベトナム ( 2021年11月11日    ハノイ )

<ベトナム・日本>前半、ドリブルする田中(C)JFA
Photo By 提供写真

 7大会連続のW杯出場を狙う日本代表は敵地でB組最下位のベトナム代表と対戦し、1―0で辛勝した。3勝2敗で勝ち点を9に伸ばし、自動的に本大会出場権を得られる2位以上の確保に向けてなんとか前進。前半にMF伊東純也(28=ゲンク)のアジア最終予選初ゴールで先制し、これが決勝点となった。次戦は16日にアウェーでオマーンと対戦する。

 アクシデントを乗り越えて、森保監督が連勝に導いた。既に2敗し、7大会連続のW杯出場へ「土俵際での戦い」。マスクを口元からもぎ取り指示を飛ばした指揮官もまた、死に物狂いだった。快勝とは言いがたい内容だったが、9、10月と落とした鬼門の初戦を3度目で突破。連勝で2位オーストラリアとの勝ち点は1まで肉薄した。

 「プレッシャーの中でハードワークしてくれて、難しい戦いで勝利をつかみ取ってくれた」

 引き分け以下なら進退問題も避けられない中、試合前には予期せぬ遅延トラブルに見舞われた。吉田、南野、冨安ら主力11人を乗せたチャーター機が給油地のロシアで足止め。約24時間の“缶詰め”の末に到着したのは試合2日前の深夜で、全員で練習できたのは1日という非常事態だった。「起きてしまったことは仕方ない」。必死に頭を悩ませた。

 懸けたのは成功例、だった。10月12日のオーストラリア戦では岡田ジャパンにヒントを得た4―3―3布陣が奏功。その布陣のまま先発は酒井から山根に代えるだけにとどめた。遅延組も半数の5人を起用。「選手たちが絵を合わせてくれて、プレーで表してくれた」。結果的に決勝点も南野―伊東の“缶詰めライン”から生まれ、起用は吉と出た。

 ただ、過去4戦全敗で最下位のベトナムから奪った得点はわずか1。得失点差を稼げるチャンスをふいにした。「ゴールに向かって積極的にアグレッシブにプレーしてくれた」と評したが、肝心の追加点は遠かった。後半に布陣を変えることなく5人を代えた交代策でも活性化はできず、決定機は途中出場の柴崎のシュートのみ。セットプレーも拙攻続きだった。

 16日(日本時間17日)の相手は、9月のホーム戦で徹底した対策を取られて敗れたオマーン。中4日でゴールまでのより詳細な道筋を描けないようでは、二の舞いとなる。主将のDF吉田は言った。「ブラジルと戦うつもりで戦う」――。この消化不良の辛勝が、起爆剤となるか。死に物狂いの戦いはまだ続く。

 《98年大会予選は巻き返し》日本は最終予選前半の5試合を終えて3勝2敗の勝ち点9。自動的に本大会出場権を獲得できる組内2位以内に入れず折り返しを迎えた。ホーム&アウェー方式となった98年大会の最終予選以降、自動出場権獲得圏より下位での折り返しは、1勝2分け1敗で5チーム中3位(1位が出場権獲得、2位が第3代表決定戦へ)だった98年大会予選以来2度目となった。同予選は後半4試合を2勝2分けで2位となり、第3代表決定戦で勝利。今回も同様の巻き返しが求められる。

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