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小国モルドバの初出場シェリフが欧州CL最多優勝Rマドリードを破る大番狂わせ

[ 2021年9月29日 16:10 ]

欧州チャンピオンズリーグ1次リーグD組   シェリフ2―1レアル・マドリード ( 2021年9月28日    スペイン・マドリード )

レアル・マドリードを下し、喜び合うシェリフの選手たち(AP)
Photo By AP

 伏兵がまたもやってのけた。予選1~3回戦とプレーオフを勝ち上がり、旧ソ連のモルドバからCL本戦初出場を果たしたシェリフが、レアル・マドリードを破る大金星だ。前身の欧州チャンピオンズ杯を含めて大会最多の優勝13回を誇る名門に敵地で競り勝ち、ウクライナの強豪シャフタル・ドネツクを破った開幕戦(15日)の結果がまぐれではないことを証明した。

 「マドリードを相手にこんな試合ができてハッピーだよ。チームと選手たちを誇りに思う」とベルニドゥブ監督。地力に勝る強敵に押され、ボール保持率は32―68%、シュート数は4―30本と守勢に回る苦しい展開だったが、それでも少ない好機を生かした。

 前半25分は自陣からのビルドアップ。左サイドを駆け上がってロングパスを呼び込んだDFクリスティアーノ(ブラジル)が余裕を持って折り返すと、ゴール前でやはりフリーだったFWヤフシボエフ(ウズベキスタン)が豪快に頭で決めた。好セーブを連発してマン・オブ・ザ・マッチに選ばれたGKアタナシアディス(ギリシャ)を軸に猛攻に耐え、失点は後半20分のPK弾のみ。1―1の後半45分にはMFチル(ルクセンブルク)がペナルティーエリアの外からショートバウンドで左足を合わせ、ゴール左上のサイドネットに決勝点を突き刺した。

 1997年創設の新興クラブは第1戦に続き、出場14選手全員が外国籍。それでもチームとして戦うことにプライドを持ち、コロンビア人のMFカスタニェダ主将は「ここで勝つという夢がかなった。無駄な時間を過ごすために来たわけでなく、我々だって自分たちがどの程度、優れた選手だということは分かっている。幸運にもマドリードはチャンスをものにできず、我々はものにした」と胸を張った。

 開幕前の優勝オッズ(ウィリアムヒル社)は7番人気の15倍だったレアルに対し、シェリフは32チームで最下位の1001倍。それが2試合を終えて2戦2勝の勝ち点6とし、同3のレアル、同1のインテル・ミラノ、シャフタル・ドネツクを抑えて堂々のD組首位だ。

 ウクライナ人のベルニドゥブ監督は「16強のことは考えていないよ。1歩1歩進んでいくだけ。まだ大切な試合が残っている。我々は正しい道を歩んでいて、それを続けていく」と語った。次戦は10月19日にセリエA王者インテル・ミラノと対戦。歩みを止めるつもりはない。

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2021年9月29日のニュース