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U24大然 脳振とうから復帰!五輪へ“GO砲”狙う 12日ホンジュラス戦「行ける準備したい」

[ 2021年7月11日 05:30 ]

シュート練習でクロスボールに飛び込む前田(撮影・篠原岳夫)
Photo By スポニチ

 東京五輪のサッカー男子代表は10日、静岡県内で事前合宿を打ち上げ、12日のホンジュラス戦に向け大阪府内へ移動した。脳振とうからの復帰プログラムを終えたFW前田大然(23=横浜)は完全合流し、紅白戦にも参加。サッカーをやめようと思った過去を乗り越えてたどり着いた五輪の舞台。ホンジュラス戦から夢舞台への“GO砲”を狙う。

 2人も不在だった1トップに、前田が帰ってきた。脚の付け根を肉離れした上田がシュート練習などに部分合流する中、前田は一足先に完全合流。紅白戦では2本目から主力組の1トップに入った。「1週間くらい休んだので体的には少しきつい部分もあったけど、そうも言っていられない。ここから上げていければ」。FW3人の中でJ1では今季最多の10得点を誇る23歳は、12日のホンジュラス戦も「“行くぞ”と言われれば行ける準備はしたい」と見据えた。

 50メートル5秒8で走る韋駄天(いだてん)には、歩みを止めた過去がある。山梨学院大付高時代、素行不良で2年生の1年間は部活を“出禁”となった。「サッカーをやめようかなと考えたくらい、いろいろあった。そこが一番つらかった」。練習参加していた社会人クラブや両親に支えられ、踏みとどまった。

 その時期に生まれたのが、今の献身的なスタイルだ。「たくさんの人の支えがあるからこそプレーできていると感じた。サッカーでもチームのために走ることを、本当にそこで学ばせてもらった」。エゴは捨てた。当時から始めた前線からの守備は、今では代名詞のようになった。

 両親には大自然から「大然」と名付けられた。「自分のやりたいように、自然と伸び伸びやってくれればいいという教育方針やったかなと。(悪さをして)自由を僕ははき違えてしまった」。それでも心を入れ替え五輪代表にたどり着いた。ホンジュラス戦の会場は両親の暮らす大阪。「親にも迷惑かけたので、恩返しをしたい」というFWは、この地からギアを上げ、五輪へ駆け上がる。

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2021年7月11日のニュース