×

契約延長のEフランクフルト長谷部「引退のプレッシャーがあるから一日一日の練習がいとおしい」

[ 2021年3月11日 00:00 ]

Eフランクフルトの元日本代表MF長谷部誠
Photo By スポニチ

 来夏まで契約を1年延長したドイツ1部アイントラハト・フランクフルトの元日本代表主将のMF長谷部誠(37)が10日、オンラインで会見した。

 キャリアの晩年を迎えていることを認めるベテランは「若いころはサッカーすることが楽しかった。今は引退しなければいけないという年齢に近づいてきている中で、そういうプレッシャーとともに楽しみとか喜びを感じている。プレッシャーがあるから一瞬一瞬、一日一日の練習とかそういうものが凄くいとおしく、大切に思える」と心境の変化を語った。

 重圧との向き合い方が変わったことでプレーも変化した。

 「自分で勝手に肩に乗せていた重りを取りながら気分良くプレーできている。既成概念として歳を取ればプレーの質が落ちてくるというものが僕自身の頭にもちょっとあったんですけど、自分の中で少しずつ変わっていって、経験からくる落ち着きとかサッカーを知ることが良い方向に行っている。“こんなにもサッカーがうまくいくんだな”というのも、より感じている。この歳になっても新しい発見だらけで楽しい」

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、スタジアムは無観客が続く。経験がない環境も契約延長を後押しした。

 「観客のいないスタジアムというのは雰囲気や感情、エモーショナルな部分も欠けていると思う。あらためてサポーターがあってのサッカーだな、と。この1年間にスパイクを脱いだ選手もたくさんいて、サポーターと直接さよならとか言葉をかけ合えない中での引退を目にしてきて、僕は“できればサポーターがスタジアムにいる前でスパイクを脱ぎたいな”というのは1つのモチベーションとしてはあったのは事実」

 長谷部の活躍もあって、チームは現在リーグ4位で来季欧州チャンピオンズリーグ出場圏につける。

 「来シーズンのことはまだほんとに考えられていない。とにかく今シーズン残り10試合を駆け抜けて。そして来シーズン、自分の中でも常に最後のシーズンだと思って戦っているので、その最後のシーズンにチャンピオンズリーグなのかヨーロッパリーグなのかわからないですが、またヨーロッパの舞台で戦えたら非常に大きいと思う。まずはほんとに今シーズンを最後までやりきって」

 浦和からウォルフスブルクに移籍して08年2月にドイツ1部で初出場。翌08~09年シーズンにはリーグ優勝を経験した。ニュルンベルクを経て14~15年シーズンからEフランクフルトでプレー。来季で15季目を迎えるドイツで、そして欧州で、長谷部が走り続ける。

続きを表示

2021年3月10日のニュース