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高校サッカー11日決勝 青森山田 初決勝で苦杯、山梨学院に11年前の借り返す

[ 2021年1月11日 05:30 ]

10年前の決勝で準優勝に終わった黒田監督(左)と柴崎
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 第99回全国高校サッカーは11日、無観客の埼玉スタジアムで決勝が行われ、青森山田は2年ぶり3度目の優勝を目指して山梨学院と対戦する。山梨学院が初優勝した第88回大会の決勝と同カード。「ひよっこ」だった11年前の借りを、就任26年目を迎えた黒田剛監督(50)が今大会で返す。

 黒田監督は「表彰台を下から見上げるあの景色」を忘れることのない一年だったという。前回大会は決勝で静岡学園に敗れ、連覇を逃した。チームとして晴らすのはこの悔しさ。一方で個人的なリベンジの思いもある。

 11年前の決勝も山梨学院が相手だった。準決勝から倍に増えた国立競技場の歓声に「頭が真っ白になった」。指揮官として初めて決勝を率いた自身は、「ひよっこ」だった。

 当時、山梨学院は横森巧・現総監督が率いていた。同氏が韮崎の監督として、名をとどろかせていた時は中高生。データはなかった。「横森先生ってどんなサッカーをするんですか?」。決勝前、偶然通りかかった、かつて帝京を率いた名監督・古沼貞雄氏にすがった。

 答えは「最初の10分、15分は、後先のことを考えずにガンガン来る」。試合直前に選手に伝えはしたが、遅かった。立ち上がりの11分に失点し、気がついたら敗戦していた。

 今大会も立ち上がりに得点を重ねる山梨学院には“横森イズム”を感じるという。ただ、自身も過去とは違う。「過去のデータも含めて経験値がある。選手に伝えて、入り方に絶対にミスがないように詰めていければ」

 青森山田を率いて26年目。昨年5月に50歳で「天命を悟る」意味の「知命」を迎えた。「青森山田の選手権勝利が、今回の優勝で50勝目だと。ちょうど50歳で、名前も剛(ごう)。語呂合わせには凄くいい決勝になった」。名将として、今回は堂々と頂点へ導く。

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