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独移籍決定的の横浜・遠藤 節目での強さ生む“開き直り力”

[ 2020年7月23日 03:00 ]

19年7月27日、マンチェスターCとの親善試合で得点を決める横浜MF遠藤渓太(右)(撮影・大塚 徹)
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 持ってる子だな。それが横浜MF遠藤に対する率直な印象だ。とにかく節目に強い。17年9月のG大阪戦で奪ったリーグ初得点は劇的な決勝点に。19年7月のマンチェスターCとの親善試合でも王者相手に得点し、8月の名古屋戦ではJ1通算2万2000点目のメモリアル弾をマークした。今季もJ1通算100試合出場達成となったFC東京戦でネットを揺らし、横浜FC戦での“惜別弾”。なぜ節目で結果を残せるのか。それは逆風にさらされても心を切らさない“開き直り力”にあると見ている。

 クラブが15年ぶりのリーグ優勝を飾った19年シーズン。遠藤は7得点7アシストとキャリアハイの数字を記録したが、馬力のある外国人選手との先発争いでは後れを取り、ベンチスタートに甘んじる日々が続いた。まだ22歳。不満を抑え込むには若く、「俺の方が点取ってるのにな」「なんで先発で出れないんだろ」と本音はこぼれる。それでも、いつも最後には「でも、やるしかないんすよね」と自分に言い聞かせるように話してロッカールームに引き揚げる。逆境に置かれても最後は自ら「やるしかない」と腹をくくり目の前の一戦に集中できる強さを備えていて、優勝決定戦となったFC東京戦では勝利を引き寄せる3点目を奪ってみせた。

 新天地ドイツでは一からのポジション争いだけでなく、食事や文化の違いなど、経験したことのない高い壁にぶつかるかもしれない。それでも「やるしかない」のマインドを持ち合わせている遠藤なら、何か大きなことをやってくれるかも――。持ってる男にはそんな期待をしてしまう。(前横浜担当・井上 侑香)

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