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横浜・田中智則中央エリアリーダー 「サッカーができる喜び」かみしめスクール生との再会心待ち

[ 2020年5月6日 05:30 ]

再開を待つJな人々

スクール活動再開に向け、奮闘する中央エリアリーダーの田中氏(左)(C)y.F.m
Photo By 提供写真

 コロナ禍で活動を停止しているのはトップチームだけではない。未来のJリーガーが通うスクール活動も同様だ。横浜では3月2日から全10校の活動を休止。4月新設の中央エリアリーダーに就任した田中智則氏(38)は、そんな中でもスクール生や指導者の心身に寄り添う仕事を続けている。

 管轄は二俣川校、大和校、Shunsuke Park校の中央エリア。未就学児から小学6年生まで1000人弱が通う。「期間が空くと再開後にスクールに来るのが不安になる子もいる。コーチの顔を見せることで安心につながる」と4月中旬から週2、3度自宅でできるトレーニング動画の配信を始めた。競技歴の浅い子でも楽しめるよう考える。

 各家庭には一斉メールで随時情報を送るが、対応も細やか。メールが未着の家庭には個別で連絡。この春、30、40人のスクール生が卒業や保護者の転勤などでクラブを離れたが、緊急事態宣言前のイベントに来られなかった子供には個別の対応を設け、一人も漏れなくコーチとあいさつして送り出す対応も行った。

 本来の業務はコーチの指導育成。こちらも臨機応変に尽力している。現場実践ではなく在宅研修型に変更。映像等を用い課題を改善するための指導案の提出を求め、休止中も指導力向上を促す。個別面談も日課。マニュアルのない事態だが仕事の軸はシンプルだ。

 「まずは保護者を含め、スクール生に健康で元気に過ごしてもらうことが一番。そしてこの先再開しても最大限リスクを減らして安心してサッカーを楽しんでもらえる環境を整えたい。再開した時にみんなが元気に顔を合わせられたらいい」。コロナ禍で何より自身が改めて「サッカーができる喜び」をかみしめた。だからこそ万全の状態で再びスクール生を迎え入れられるよう、細部に手を尽くす。

 ◆田中 智則(たなか とものり)1981年(昭56)6月24日生まれの38歳。現役時代はMF。国際武道大卒業後、04年に横浜のプライマリー(小学生選抜)のアシスタントコーチに就任。08年はみなとみらい校、09年からは大和校でリーダーを務める。横浜市、大和市、神奈川県のトレセンなどでも指導。4月に新設の中央エリアリーダーに就任した。

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2020年5月6日のニュース