×

セリエAとインテル 新型コロナで対立…2週連続一部延期にマロッタCEO激怒「リーグゆがめられた」

[ 2020年3月3日 06:45 ]

インテル・ミラノのジュゼッペ・マロッタCEO
Photo By ゲッティ=共同

 新型コロナウイルスがセリエAに大混乱をもたらした。欧州最多の感染者1694人、死者34人(1日時点)が出るなど北部を中心に大きな影響が広がっているイタリアで、リーグは第25節(2月22、23日)の10試合のうち4試合を、第26節(2月29日、3月1、2日)の同6試合を延期した。第26節は当初、無観客での開催予定だったが、試合当日の29日に急きょ5月13日への延期を発表。リーグの場当たり的な決定に、クラブ側の反発が広がった。

 新型コロナウイルスの影響はクラブとリーグの対立も引き起こした。リーグに怒りの矛先を向けたのはインテル・ミラノのマロッタCEO(最高経営責任者)。2月29日に「これはサッカーシステムの敗北だ。このままでは他の試合もできなくなる可能性がある。もはやリーグ戦はゆがめられた」と声を荒らげた。

 原因はリーグの“朝令暮改”だ。政府の要請を受け、2月25日に第26節の対象地域5試合の無観客開催を決定。しかしウディネーゼ―フィオレンティナが予定されていた29日午前に突然、延期を発表した。マロッタCEOは「リーグは無観客を誰にも相談せず決めた。しかも試合の数時間前に全てをひっくり返した」と批判。一方、リーグのダルピーノ会長は「我々は26日、観客を入れて開催可能となる2日への順延を提案した。断ったのはインテル」と反論した。

 またマロッタCEOが「ゆがめられた」と指摘したのは公平性の問題だ。公式戦を一律で延期したJリーグとは違い、ウイルスの影響がある地域だけ延期したため、インテル・ミラノやDF吉田麻也のサンプドリアなど5チームは2試合を未消化。残り3カ月の日程は極めてタイトで、第25節の延期分は未定だ。

 10年ぶりの優勝を狙う3位インテル・ミラノにとって、第26節の首位ユベントス戦はヤマ場。リーグ終盤の5月13日に延期されたが、マロッタCEOは「第25節の延期分は未定なのに、なぜ第26節だけ決まるんだ」と疑問をぶつけ、ナポリのガットゥーゾ監督も「確かにリーグ戦はゆがむ。全部やるか、やめるかだ。5月13日の状況はチームによって凄く違う」と指摘した。

 4日にリーグ臨時役員会が開催される予定だがカリャリのカルリ強化部長が「国難なんだから各クラブはエゴを出さずに一致しないと」と苦言を呈したようにクラブ側の足並みもそろっておらず議論は紛糾しそうだ。

続きを表示

この記事のフォト

2020年3月3日のニュース