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Jリーグ、新型コロナの影響で3・15まで全公式戦94試合延期

[ 2020年2月26日 05:30 ]

Jリーグの開催延期を発表する村井チェアマン(撮影・郡司 修)
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 Jリーグは25日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け26日のルヴァン杯1次リーグ第2節から3月15日までのJ1、J2、J3全94試合を延期すると発表した。各クラブの実行委員らとの緊急会議、理事会を経て決定したもの。Jリーグが自然災害以外で中断するのは初めてで、日本国内の主要プロスポーツが今回のウイルスの影響で日程変更するのも初めての事態となった。

 新型コロナの感染拡大により、Jリーグが大幅な日程変更を余儀なくされた。26日に予定されていたルヴァン杯から3月15日まで、全カテゴリーで計94試合が延期される。村井チェアマンは「ある種の国難。Jリーグとして協力していく必要があります。大きな意思決定をいたしました」と異例の決断を説明した。

 21日に開幕したJリーグではマスク着用や消毒剤の設置など、対策を施してきた。同時に水面下では各クラブ実行委員らとビデオ会議で対策を継続議論。事態が大きく動いたのは24日の夜。政府の専門家会議が「今後1~2週間が拡大と終息の瀬戸際になる」との見解を発表したことを受け、Jリーグは25日午前に再び緊急会議。全会一致で公式戦の延期を決定した。

 現時点で、再開は3月18日のJ1、2の第5節を目指す。ただ「状況は日々変わる。予見しにくい」と村井チェアマン。3週間後の政府判断、Jリーグを取り巻く環境、専門家の意見を交え、判断する方針だ。7月には東京五輪が開幕する。ただでさえ過密日程だが、村井チェアマンは「五輪には協力したい。(代替実施は)五輪期間以外が前提」と話した。

 関係者によればJ1、2の第2~4節は比較的、日程に余裕のある5、6月の平日開催が有力。ただし、延期期間が延びれば五輪後に先送りされる可能性がある。またルヴァン杯はプレーオフ方式の変更が有力。当初のホーム&アウェー方式を1試合にする案が検討されているという。

 日程変更は財政が脆弱(ぜいじゃく)なクラブの経営を圧迫しかねない。Jリーグでは大規模災害時の補填(ほてん)規定により、安定開催基金という10億円の準備金の適用も視野にあるという。26日の試合に向け、既に遠征費などが発生したクラブには台風や雷による中止で適用するルールに沿って、補填する方針という。

 3月には日本代表のW杯2次予選やU―23代表の強化試合も予定されているが、U―23は対戦予定だった南アフリカによる派遣拒否など、厳しい事態に陥っている。新型コロナ余波は、深刻な領域に突入してきた。 

 【J主な延期、中止】
 ▽東日本大震災 発生翌日の11年3月12日から4月17日までのJ1第2~6節全45試合、J2第2~7節全60試合が中止となり、6~10月に延期された。開幕前だったナビスコ杯(現ルヴァン杯)は予選リーグが中止され、全試合トーナメント方式に変更となった。
 ▽その他の地震 16年4月の熊本地震ではJ1~J3の九州開催試合、J2熊本のアウェー試合計10試合が延期された。
 ▽台風 被災地周辺で数試合が延期されるケースが多い。昨年10月の台風19号では、J2とJ3の計8試合が延期された。

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