古巣で「謎の練習生」と呼ばれた乾…最後の最後に“まくった”6月

[ 2018年6月27日 10:00 ]

香川(左)や清武(右)と走るC大阪時代の乾(中央手前)
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 帰ってきたその足で、C大阪の練習場にやってくる。欧州での戦いを終え、関西空港で夫人と長男に出迎えられた乾。家族水入らずに時間を過ごすのかと思いきや、そのまま古巣を訪れ、かつてのチームメートらと汗を流す。いつしか定着した呼び名が「謎の練習生」。練習試合に出場したこともあった。

 ボールを蹴らずにはいられないサッカー小僧。11年夏に欧州移籍を果たしてから、ずっとそんな姿を見てきた。「いつも、この時期にセレッソの練習に来ていたのが貴士(乾)。“まくったな”というのが僕の感想なんですよ」。長くC大阪でコーチを務める小菊昭雄氏(42)は、昔を思い出しながら語る。

 W杯や国際Aマッチが行われる6月。日本代表がスポットライトを浴びて戦う一方、招集されなかった乾はC大阪の練習生として汗を流すことが多かった。クラブのスタッフらが「代表の話はしない方がいいかな」と気遣っていると、逆に乾の方から「昨日の真司(香川)のゴール見ました?」と振ってくる。どこまでもサッカーに対して純粋だった。

 「(雰囲気は)今も、20歳ぐらいでセレッソに来た時の貴士と変わらない。日本に帰ってきてセレッソの練習に来たら、新しく加入して知らない選手もいる中で、でもロッカールームでは貴士の声が響き渡るような。セレッソとしてもチームの浮き沈みがある中で、練習生としての彼の明るい振る舞いに救われたこともある」(小菊氏)

 欧州で出場機会に恵まれず、日本代表から遠ざかることもあった。それが30歳で初めてW杯に出場するチャンスを得て、大会前の親善試合パラグアイ戦で2得点を決め、今では欠かせない存在となった。最後の最後に、まくった乾。この活躍に続きがあることを期待している。(西海 康平)

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