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VARで大荒れドロー…Cロナ まさかのPK失敗 3戦連発ならず

[ 2018年6月27日 05:30 ]

W杯1次リーグB組   ポルトガル1―1イラン ( 2018年6月25日    サランスク )

イラン戦でPKを失敗し頭を抱えるポルトガル代表C・ロナウド(右)
Photo By ゲッティ イメージズ

 25日に行われたB組2試合はいずれも後半アディショナルタイム(AT)にVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)で判定が覆り、土壇場で順位が入れ替わった。ポルトガルはVARでハンドの判定を受け、PKを決められてイランと1―1のドロー。スペインはVARで同点ゴールが認められ、モロッコと2―2で引き分けた。ともに勝ち点5で決勝トーナメント進出も、総得点で上回ったスペインが1位浮上、ポルトガルは2位に転落した。

 1―0のまま試合を終わらせれば勝ち点は7。他会場で1―2とリードされていたスペインは4で、ポルトガルの1位通過はほぼ見えていた。だが後半44分、ゴール前での競り合いについてVARが主審に助言し、ハンドの判定に変更。PKを決められたポルトガルは勝ち点を5までしか伸ばせなかった。

 PKの直前にはVARで判定がゴールに変わったスペインが追いつき、こちらも引き分け。同勝ち点で得失点も同じながら、総得点6のスペインが1位、5のポルトガルは最後の最後に2位へ転落した。決勝トーナメント1回戦の相手は、1位なら開催国とはいえFIFAランク70位のロシア(A組2位)で、2位が優勝2回の14位ウルグアイ(A組1位)。大きく明暗が分かれた。

 「PK判定までは良かったが、これもサッカー。VARはVARの仕事をした。我々はそれを受け入れるしかない」。サントス監督は淡々と話したが、VARに振り回されっぱなしだった。1―0の後半7分にはVARでC・ロナウドがPKを獲得。GKに止められて3戦連発は逃したものの、同34分には相手に肘打ちしたC・ロナウドがVARにより一発退場を免れた。次戦出場停止も免れたチームの絶対的エースは、判定が変わるたびに苦笑い。指揮官は「気持ちを切り替えてウルグアイ戦に集中しないといけない」と話した。

 今大会から導入されたVARが1試合で3度適用されたのは初めて。適用を決断するのに時間がかかった主審を両軍が何度も取り囲み、試合は荒れた。進行も遅れ、試合が終わったのはAT6分の表示を超えた後半52分10秒。元イングランド代表FWのシアラー氏は自身のSNSで「茶番だ。予想されてはいたが、VARは試合をぶっ壊す」と批判した。

 ≪大会12日目でもう最多更新≫第12日のポルトガル―イラン、スペイン―モロッコ戦までの36試合終了時で、PK回数は20。これまで最多だった18回(90、98、02年大会)を超えて大会記録を樹立した。PK20回のうち、VARでの判定が9回と約半分を占めており、新技術の導入が大きく影響している。

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