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決勝前夜に鹿島スタッフが臨んだ“ビッグマッチ”90分で願掛け肉18キロ

[ 2016年12月5日 09:30 ]

鹿島スタッフが食べた肉の一部
Photo By スポニチ

 12月2日、チャンピオンシップ決勝を控えた前夜、鹿島ではとある“ビッグマッチ”が行われていた。題して「又兵衛の戦い」。試合会場となった鹿嶋市内の焼き肉料理店「又兵衛」に、OBの中田浩二クラブ・リレーションズ・オフィサー(CRO)を筆頭にした鹿島スタッフ14人が集結した。対する目の前の敵はタン塩、カルビ、豚ロース、豚トロ、レバー、ホルモン、そしてハツ選手。試合時間は90分。午後8時34分、試合はキックオフを迎えた。

 国内主要タイトル18冠目を懸けて望んだ浦和との第2戦。前夜、鹿島のスタッフは総重量18キロの肉を食べて願掛けをしていた。なぜ「肉」を食らうのか。理由もきちんとある。かつてジーコ氏らが在籍していた時代からクラブでは、全員が寮に集まる試合前日にステーキなどの肉を食べて英気を養うことが伝統だった。今回はそんな原点に立ち返って肉を選択。“出場給”は役員からのボーナスで支払われ、誰も懐を痛めることなく万全の体制で臨むことができていた。

 90分後。鹿島アントラーズVS肉18キロの戦いは、鹿島アントラーズの勝利で終わった。警告0人、退場0人、リバース0人。見事に無傷で骨肉のバトルを制した。フル出場したスタッフの一人は90分間を振り返り、「重要な決戦を翌日に控える中で、いい準備ができた。“我々も戦っているんだ”ということを全員で共有できた」と笑顔を浮かべた。

 ちなみにこの試合は、選手には内緒で行われていたという。試合前に無駄なプレッシャーをかけたくないという配慮もあった。スタッフ14人が「戦い抜いたすがすがしい気持ち」と「若干の胃腸不良」を抱えながら迎えた翌日の本番。鹿島は浦和を大逆転し、18冠目を勝ち取った。試合後、中田CROは満を持してMF小笠原主将へ伝えたという。「実は、俺らも戦ったんだよ」と。小笠原からは「ただ食いたかっただけだろ」と切り換えされたらしい。(波多野 詩菜)

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2016年12月5日のニュース