川崎F・奈良“リオの奇跡”へ始動 問題は「骨がくっつくかつかないか」

[ 2016年6月1日 11:15 ]

28日退院した川崎F奈良。手術せず患部をギプスで固定

 川崎FのDF奈良竜樹(22)が“奇跡”へ向けて動き出した。5月14日の神戸戦で左足腓(ひ)骨を骨折。28日に退院し、その足で川崎市内のクラブハウスを訪れトレーニングを開始した。

 「リオ五輪出場を応援してくれる人もたくさんいる。最後まで諦めません」。奈良はきっぱりと言い切る。昨季、J2札幌からFC東京へ期限付き移籍していたが、リオ五輪出場の目標へ向けて、川崎Fへ移籍した。FC東京には森重、丸山、高橋ら日本代表級の選手がいて、奈良が割り込む余地はなかったからだ。出場機会を求めて移籍した川崎Fでは開幕からスタメン出場を続け、首位争いの原動力になっていた。そして、リオ五輪のメンバー選考へ向けて大きなアピールの場となるトゥーロン国際へ選出されたが、アクシデントはその矢先、出発前最後のJリーグで起きた。

 奈良の闘志は並大抵ではない。復帰まで4カ月と診断されたが、2カ月での復帰を目指す。「7月までに回復しないと五輪はないが、骨がくっつくかつかないかというシンプルなもの。経過はまあまあだし、痛みは順調に取れている」と、“順調”を強調する。かつてベッカムが使ったことで知られる酸素カプセルや超音波を使った治療器具も使う予定。「ドクターも可能性がある限り、やれることはやると言ってくれている」と、どこまでも前向きだ。

 心肺機能の維持へエアロバイクを手で漕ぐトレーニングも取り組む。「方法は探せばある」と言い切る。そして「駄目なら目標切り換えるだけ。7月の発表前にはプレーしてないと五輪に出られない。そういう気持ちでやる。諦めると目標が見えなくなる」と言い切った。

 神戸戦でのケガのシーンについては「あのプレーはまったく後悔していない」と言う。そして「J1でやるにはまだまだ足りないところがあるということを気付かされた。出ずっぱりでは上半身とか強化ができない。こうして自分を見つめ直すいい機会、甘くないよ、もっと強くならないと、と教えられた」と言う。見舞いに来た日本サッカー協会の霜田TDから「切り換えてW杯を目指せ」と激励された。だが、奈良は「簡単には諦められない。100%無理なら別だが、ギリギリの状況」と気持ちを明かした。

 球際の激しさ、対人の強さなど今までの川崎Fになかったものを持ち込んだことがチームが首位に立つ原動力になっている。川崎Fを変えた男は、日本のサッカーも変えるはずだ。(記者コラム・大西 純一)

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