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すでに海外視察も!小倉新監督“ベンゲル型”で名古屋再建へ

[ 2015年11月26日 05:30 ]

名古屋の久米社長(左)、豊田会長(右)と握手する小倉隆史GM兼任監督

 “ベンゲル型”で立て直す。名古屋は25日、名古屋市内で小倉隆史GM兼監督(42)の就任会見を開いた。GM補佐から昇格する形となった指揮官は、自らが選手獲得など編成に関わると同時に、初めてとなる監督業にも意欲十分。かつての恩師でありアーセナルで強化業務も担うアーセン・ベンゲル監督(66)を理想としながら、ピッチでは5人目までもが連動するサッカーを表現する。

 自ら選手を集め、自らが指揮を執る。来季から2つの重責を担う小倉GM兼監督は、迷いのない表情で所信表明した。「兼任は非常に難しいと思ったが、クラブを何とかしたい思いが強くなった。大変だろうけど、面白いだろうなと。全身全霊で向かっていきたい」。GM補佐から昇格し、なおかつ監督業も初めて。就任を要請された際に不安が生じたものの、やりがいがそれを凌駕(りょうが)した。

 理想とするのはかつての恩師だ。「一番影響を受けた監督」として挙げたのがアーセナルのベンゲル監督。95~96年に名古屋で選手と監督として過ごし、その手腕に驚かされた。「監督が代わればチームがこうも変わるのかと。監督業を意識しだしたのはベンゲル監督との出会い」。94年に年間11位と低迷し「お荷物」ともやゆされたクラブを95年には年間3位に押し上げ天皇杯制覇も成し遂げた。

 憧れの監督はアーセナルで選手獲得やスカウトの役割もこなしており、前GMの久米社長は「ベンゲルはスカウトだったり、海外に選手に会いに行ったりもしている」と説明。それはGM職も担う指揮官に期待する役割であり、すでに小倉GM兼監督は補強のために海外視察にも出向き、着々と編成のリストアップを進めている。

 監督としての契約期間は18年1月末までの2年間とみられる。昨季10位、今季9位からの浮上を託された“全権監督”は、ベンゲル監督への思いを口にしながらも「僕には僕なりのサッカー観がある。キーワードは“5人目のサッカー”」と力を込めた。2人目や3人目だけではなく、攻撃時には5人目までもが連動するスタイルが小倉サッカー。自分の色も押し出し、ビッグクラブを根本から立て直す。

 ◇小倉 隆史(おぐら・たかふみ)1973年(昭48)7月6日、三重県生まれの42歳。四日市中央工高のエースとして91年度の全国高校選手権で優勝し、92年に名古屋入り。左足からの強烈なシュートを武器にFWで活躍。93年にはオランダ2部エクセルシオールに期限付き移籍した。市原、東京V、札幌を経て甲府に在籍した05年に現役を引退。今年6月に名古屋のGM補佐に就任。J1通算166試合34得点。日本代表では5試合1得点。1メートル82。

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