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アギーレJ、ブラジル戦なぜシンガポール?絶妙に絡む2つの思惑

[ 2014年8月8日 08:15 ]

10月にジャマイカ、ブラジル戦が決まったアギーレジャパン

 アギーレジャパンが日本代表のブランド力の向上とW杯予選対策を兼ねた「アジア戦略」を敢行する。日本サッカー協会は7日、10月10日に新潟でジャマイカ戦、同14日にシンガポールでブラジル戦を開催すると発表した。11日に来日するハビエル・アギーレ新監督(55)も海外への移動を伴う日程を了承。中南米の強豪との連戦でチームを強化していく。

 一粒で2度もおいしいアジア戦略が実現する。10月10日に新潟でジャマイカ戦を終えると、新生日本代表は空路、シンガポールに向かう。中3日となる14日には世界最大級のドームと言われるシンガポール国立競技場で、王国ブラジルとの対戦が正式決定した。報告を受けたアギーレ監督も胸を躍らせている。

 2つの思惑が絶妙に絡んだ。一つは東南アジアにおける日本代表のブランド力向上だ。原専務理事が「アジア戦略の一環」と言うように、日本協会では13年からアジア圏で日本代表戦の放送権ビジネスを展開しており、既に27カ国で放送実績がある。世界的に人気の高いブラジル代表を東南アジアに迎える一戦は集客力も注目度も申し分ない。絶好の“営業活動”となるはずだ。

 もう一つは来年6月にも始まる18年W杯ロシア大会アジア予選の予行演習だ。予選方式は従来の4段階(1~3次、最終)から1次と最終の2段階に変わり、1次は東西地区に分けて開催される見通しだ。これまでより試合数は増えることになり、日本と東南アジアで中3日の連戦というケースも考えられる。今回の新潟→シンガポールの移動について原専務理事は「一つのシミュレーションになる」と話した。

 当初、ブラジル戦は埼玉開催を予定していたが、柔軟に変更。開催地のシンガポール協会からは同国代表との対戦オファーも受けたが、アギーレ監督が格上の強豪とのマッチメークを要望していたため固辞した。11月は中南米の強豪、ホンジュラスやパラグアイとの対戦に向け、調整が進められている。アギーレジャパンの強化策は「アジア戦略」から本格化する。

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