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徳島 四国初のJ1決定!リーグ4位から昇格PO制す

[ 2013年12月9日 05:30 ]

<京都・徳島>表彰式を終え喜びを爆発される徳島イレブン

J1昇格プレーオフ 徳島2―0京都

(12月8日 国立)
 徳島が京都を2―0で破って四国に初めてのJ1クラブが誕生することになった。大塚製薬サッカー部を前身とする徳島は05年からJ2に参戦し、9年目で昇格を勝ち取った。来季はJ2の愛媛と、JFLからこの日J2に昇格したカマタマーレ讃岐(香川)を合わせ、四国の3クラブがJリーグでプレーする。
【試合結果】

 試合終了の笛が鳴ると、徳島の選手たちが歓喜の抱擁を繰り返した。四国初のJ1クラブが誕生した。10年から在籍する津田は「グッときた。徳島に来た時からJ1を目標にやってきた。やっと達成できた」と万感の思いを口にした。

 リーグ戦の順位で京都を下回るため昇格には勝利が必要だった。終始守勢に回ったが、前半39分、CKから千代反田が頭で先制。同43分にはロングパスを高崎が頭で流し、抜け出した津田が右足アウトサイドで蹴り込み、京都を突き放した。

 11年に昇格圏内の3位で残り2試合を迎えながら連敗して4位に転落し涙をのんだ。翌12年、大分、山形をJ1に導いた昇格請負人の小林監督を迎えたが15位に低迷。今季が勝負の年だった。指揮官は基本技術を徹底指導。力を入れたセットプレー、カウンターで2点を奪ったのは小林イズムの浸透を象徴していた。

 「我慢強くやれた。選手が成長して、J1に上がれてうれしい」と笑った小林監督は既に1年契約延長オファーを受け続投が確実。自身3年ぶりとなるJ1へ「厳しい戦いだが、チャレンジしたい」と意欲を口にした。

 クラブ側も「現有戦力をベースに強化しJ1で中位以上を目指したい」(中田強化部長)と今季5億円の強化費を大幅増額。名古屋を退団するDF増川獲得に動くほか、鹿島を退団するDF岩政や鹿島MF小笠原ら元日本代表もリストアップしているとみられる。

 今季の1試合平均の観客数はJ2ワースト5位の4348人。スポンサーも不足。課題も多いが、四国を盛り上げようと選手たちは熱い。「(四国で)注目されるチームにならないといけない」と津田。チーム名の由来である鳴門の渦潮のように新たな舞台でも躍動する。

 ▼Jリーグ大東和美チェアマン 来年10周年を迎える徳島にとって、非常に意義深い。讃岐もJ2に上がって四国に3チームになるので、四国のサッカー熱が高まってほしい。

 ▽徳島ヴォルティス 1955年創部の大塚製薬サッカー部が母体で、05年に四国勢で初めてJ2に参入。柿谷曜一朗(C大阪)を擁した11年に昇格争いに加わったが、4位とあと一歩及ばなかった。チーム名は鳴門の渦潮にあやかり、イタリア語で渦を意味する「VORTICE」から生まれた造語。本拠地は鳴門ポカリスエットスタジアム。

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