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浦和 降格圏脱出!逆転勝ちで2カ月ぶり白星

[ 2011年10月23日 06:00 ]

<横浜・浦和>後半16分、ゴールをきめた浦和・梅崎は大の字になって喜ぶ

J1第30節 浦和2―1横浜

(10月22日 日産ス)
 浦和が2カ月ぶりの勝利を収め、暫定ながら15位で降格圏を脱出した。敵地で横浜に先制を許したものの、後半5分にFW原口元気(20)がチーム6試合、512分ぶりの得点を決めて追いつくと、同16分にはMF梅崎司(24)が決勝ゴール。今季初の逆転勝ちで、8月14日の新潟戦以来9戦ぶりの勝利を就任3日目の堀孝史監督(44)に贈った。

 梅崎が吠え、山田直が笑い、目を潤ませる堀監督の顔を見た原口は号泣した。得点そして勝利の瞬間と3度ベンチの前で歓喜の輪が広がり、体をぶつけ合う抱擁が繰り返される。たかが1勝。されど1勝。浦和に関わる全ての人の思いが爆発した9戦ぶり勝利だった。

 「本当に選手たちに感謝しています。今後もチーム一丸となって絶対に残留する。そういう気持ちでやります」。初陣を今季初の逆転勝利で飾った堀監督が言った。残り5戦、横浜戦のわずか2日前というタイミングで、クラブはペトロヴィッチ監督の更迭を断行。練習できるのは2日間だけという限られた中で、ユース監督から緊急昇格した堀監督は08年全日本ユースを制した4―1―4―1導入を決断した。

 突貫工事と言わざるを得ない。だが、当時ユースの主力だった山田直、原口らはもちろん、エスクデロ、梅崎、柏木ら選手が流動的に動き、随所で気持ちの入ったプレーを見せ、勝利をもぎ取った。0―1の後半5分、山田直がPKを失敗しながら原口がこぼれ球を左足で押し込んで同点。同16分には柏木の素早いリスタートから梅崎が左足で強烈なミドル弾を叩き込んで試合を決めた。

 「直輝のPKは信頼してなかったんで詰めてて良かった。そこも(ある意味)信頼関係です」と原口が軽口を叩けば、1学年上の山田直は「皆が入ると思ってたら入ってた。外したのは原口のせいってことで」とやり返す。試合後の取材エリアに久しぶりに選手の笑顔があふれた。

 だが、浮かれている時間はない。梅崎は「これからが大事」、柏木は「浦和はやっぱりここ(J1)にいないといけない」と言った。29日はナビスコ杯決勝、そして残留争いのリーグ戦は残り4試合。人生を懸け、全員で戦い抜くしかない。

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