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本田5戦ぶり代表弾も「何かをつかんだわけではない」

[ 2011年8月11日 06:00 ]

<日本・韓国>後半、2点目のゴールを決めて喜ぶ本田

キリンチャレンジ杯 日本3―0韓国

(8月10日 札幌ド)
 歴史的快勝にも満足していなかった。3万8000人を超える観衆が試合に酔いしれて帰途につく中、本田圭佑は次なる戦いに目を向けていた。「W杯予選に気持ちを切り替えたい。この試合で何かをつかんだわけではない。そこら辺ははっきりさせないといけない」。目標は、あくまで14年W杯ブラジル大会での世界制覇。9月に始まるW杯アジア3次予選に向け、あえて厳しい言葉を発した。

 トップ下に君臨し、勝利を引き寄せるゴールを決めた。1点リードの後半8分、駒野のシュートのこぼれ球を拾った清武のパスに反応。左足インサイドで左隅に流し込んだ。1月13日のアジア杯1次リーグ・シリア戦以来、国際Aマッチ出場5試合ぶりの一撃。得点後は両手を動かして大はしゃぎした後、両手の人さし指を天に突き上げた。4日に急性心筋梗塞で他界した元日本代表の松田直樹さんにゴールをささげるポーズ。

 「得点後に何をするか決めて試合に入ることはない。試合後に嫁と“何であんなパフォーマンスをしたのか”と笑うこともある」。無意識に体が動いていた。

 調子は上向いている。昨季はロシアリーグ28試合で4得点に終わったが、今季はシーズン中盤で14試合6得点を記録。昨季は起用法をめぐり、スルツキ監督と衝突するなどフラストレーションを抱えていたが、チームメートにプレースタイルや性格を理解してもらえた今季は違う。親しい関係者には「最近はサッカーが楽しい」と伝えている。

 本田はアジアでの戦いを意識して日韓戦のピッチに立っていた。両チーム最多8本のシュートを放ち「デカい相手と、小さいけど頑張る相手、欧州とアジアでは戦い方も変わるので、いかにシュートで終わるかを考えていた。全体的な距離感が絶妙だったので、この結果が出た」と解説。最後は「こういう勝ち方ができたのは自信になるし収穫だけど、もっと日本のサッカーを確立していかないと」と締めくくった。宿命のライバルを蹴散らしても、レフティーが親善試合の結果で一喜一憂することはない。

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