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沢“凱旋弾”で最多観衆2万4546人を魅了!

[ 2011年8月7日 06:00 ]

<新潟・INAC>後半24分、勝ち越しゴールを決めるINAC・沢

なでしこリーグ INAC2―1新潟

(8月6日 東北電ス)
 INACのなでしこジャパンMF沢穂希(32)が“凱旋弾”を決めた。INACは6日、アウェーで新潟と対戦し、沢の2得点で2―1勝利。沢は前半41分に7月17日の女子W杯ドイツ大会決勝・米国戦以来となるゴールを挙げると、1―1の後半25分には左足で芸術的な決勝ゴールを決め、史上最多となる2万4546人の大観衆を魅了した。8日にはロンドン五輪アジア最終予選(9月、中国)に臨むなでしこジャパンのメンバーが発表されるが、一足先にエース健在を強烈にアピールした。

 なでしこのエースが“世界一の技”で2ゴールを挙げた。0―0の前半41分、左ショートコーナーからDF田中がヘッドで折り返し、そのこぼれ球を沢がシュート。相手DFがはじいたボールを再び右足で打ち返し、7月17日のW杯決勝・米国戦以来となるゴールを決めた。さらに、同点に追いつかれた後の後半25分には、左サイドのスペースに抜け出して池笑然(チソヨン)のFKを受けると、左足でボールをふわりと浮かせて右サイドネットを揺らした。

 「(1点目は)コーナー(キック)のこぼれ球だったので、ゴールに近かった。セットプレーはいつも狙っているので。(2点目はボールが)出てから動くのではなくて、予測は常にしていますから」

 ともにセットプレーから奪ったゴールだったが、得点王に輝いた女子W杯ドイツ大会でも全5得点のうち、3点がセットプレーからだった。「長い間サッカーをやっていると予測できることはある」。15歳から日本代表に招集されている沢だからこそ持っている研ぎ澄まされた嗅覚。こぼれ球が落ちる場所、フリーになれるスペースに飛び込んでいくことでこの日もゴールを重ねた。

 増え続ける大観衆の期待に応えた。この試合には2万4546人の大観衆が訪れ、INAC―岡山湯郷戦(7月31日、神戸ユニバ)の2万1236人のなでしこリーグ最多観客記録を塗り替えた。入場ゲートは長蛇の列となり、スタジアム周辺は大渋滞。これには沢も「これだけの人が来てくれるのは、今後の女子サッカーにとってもプラスになる」と相変わらずのフィーバーぶりを喜んだ。視察したなでしこジャパンの佐々木監督も「大観衆の中、決定機で仕事したのは評価できる」と目を細めた。

 国民栄誉賞を受賞した直後の試合で快勝し、チームは8戦全勝の首位で前半戦を終えた。「正直、実感がなくて…。ただ、王さんと並ぶ立場なので、なでしこの一員として結果を出さないといけない」。沢が次に臨むのは五輪アジア最終予選。W杯でMVP&得点王を獲得したなでしこジャパンのエースが、必ずチームをロンドンに連れていく。

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