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ACミラン7季ぶりV!イブラ「約束」守った

[ 2011年5月9日 06:00 ]

7季ぶりの優勝を決め歓喜するACミランイレブン

セリエA ACミラン0-0ローマ

(5月7日)
 セリエA第36節の2試合が7日に行われ、ACミランがアウェーでローマと0―0で引き分け、優勝を決めた。2位インテル・ミラノに勝ち点で並ばれる可能性は残ったが、直接対決で連勝しているため7季ぶりのV奪回が決定。優勝18回はインテルに並んだ。今季加入したFWズラタン・イブラヒモビッチ(29)は5チームにまたがって“リーグ戦8連覇”を達成。チーム最多の14得点で名門再建を支えた。

 ACミランのイレブンが喜びに沸く中、出場機会がなかったFWカッサーノがアイスパックでおでこを冷やしていた。歓喜の中で勢い余って肘打ちを見舞ってきた1メートル92の長身ストライカーを視線の先に捉え「イブラヒモビッチが俺の頭をかち割りやがった。あいつはピッチの中でも外でも野獣だな」と苦笑い。さらに「でもスクデット(優勝盾)を獲らせてくれるならいいさ」と続けた。

 誰もがカッサーノに同意したに違いない。並外れたフィジカルの強さと運動能力で7季ぶりの優勝をもたらしたエース。この日は不発で連勝も5で止まったが、イブラヒモビッチ自身「入団時に優勝を誓い、約束を守った」と満足げに笑った。

 まさに“優勝請負人”だ。03~04年のアヤックスを皮切りに、その後も移籍する先々で常に国内リーグを制覇。ユベントスでの05、06年はチームの不正関与で優勝剥奪と勝ち点減点による順位降格を味わったが、いずれもリーグ終了時はスクデットを手にしており、3カ国5チームにまたがる“連覇”は8に達した。

 バルセロナからレンタル移籍でミランに加入した今季は持ち前の決定力で攻撃陣の軸に定着。かつてはゴールに執着したが、今季は厳しいマークの中で新境地を開いた。

 前線に張るだけではなくサイドにも流れ、スペースをつくる動きとパスでチャンスメーク。コリエレ・デロ・スポルト紙の集計でリーグ1位の10アシストを数え「個人よりチームの方が重要と分かった」と訴えた。2月以降はPKによる1得点止まり。最近8戦で退場2度とそれに伴う出場停止が5試合と苦闘もあったが、オーナーのベルルスコーニ首相は「イブラヒモビッチらの加入が大きかった」と称えた。

 バルセロナからの完全移籍にはミランが移籍金2400万ユーロ(約28億円)で買い取りオプションを行使する必要があるが「俺はここから動かない」とイブラヒモビッチ。自ら再建したミランで“連覇”を伸ばしていく。

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