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イングランド代表に鉄の規律 飲酒全面禁止

[ 2010年4月17日 06:00 ]

 W杯南アフリカ大会で44年ぶりの優勝を目指すイングランドのファビオ・カペッロ監督(63)は、代表イレブンに異例の禁酒令を課す方針を示した。6月11日開幕の本大会中はおろか直前合宿からスタッフを含めて飲酒を全面的に禁止。鉄の規律で世界制覇に挑む。

 カペッロ監督は事もなげに言ってのけた。
 「私が就任してからイングランドの合宿ではすべて禁酒だったんだ。目新しい話ではないだろ」
 しかし、今回ばかりは拘束期間が違う。08年1月就任の指揮官がこれまでかかわってきた代表招集期間は1週間程度だったが、優勝を狙うW杯は6月11日から7月11日まで1カ月の長丁場。さらに5月下旬からオーストリアで行う直前合宿を含めると50日程度となる可能性がある。16日付の英紙サンでは関係者が「過去の監督は選手をリラックスさせるため1~2杯のビールは認めてきた」と証言しているだけにイタリア人監督の厳格な対応が際立つが、もちろん意味はある。
 イングランドが南アフリカでベースキャンプとするのは標高1500メートルのルステンブルク。高地では通常よりも酔いが回りやすくなるなど肉体への影響が懸念される。さらに指揮官がこだわるのは規律に対する選手の意識だ。就任直後から公の場での携帯電話禁止などピッチ外から決まり事を徹底。結束やピッチ内の連係強化につなげてきた実績があり、集大成となるW杯でも妥協はしない。大会中はツイッター(簡易ブログ)やフェースブック(会員制交流サイト)も禁止するという。
 「禁酒は私やスタッフも対象になる。ヘルスセンターに行くようなものでホテルで体を浄化するんだよ」と笑ったカペッロ監督。優勝を勝ち取って堂々と美酒を味わう。

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2010年4月17日のニュース