×

これがバロンドール!メッシ1分でV弾

[ 2009年12月18日 06:00 ]

<バルセロナ・アトランテ>後半10分、アトランテのGKビラルをかわして決勝ゴールを決めるメッシ

 クラブ世界一を決めるトヨタ・クラブW杯の準決勝が16日にUAEのアブダビで行われ、欧州王者バルセロナが北中米カリブ海王者アトランテを3―1で下し、決勝進出を決めた。先制を許しながら1―1の後半10分に途中出場のFWリオネル・メッシ(22)が決勝点。ダメ押し弾のFWペドロ・ロドリゲス(22)は今季出場した6大会すべてで得点する異例の記録を達成した。バルセロナは19日にクラブ史上初の世界制覇を懸け、南米王者エストゥディアンテスと対戦する。

 よほど強い星の下に生まれたに違いない。右足首負傷で先発を外れながら、1―1の後半10分からピッチに入ると、59秒後のファーストタッチから決勝点。メッシに導かれたバルセロナが初の世界制覇に王手をかけた。

 「ラッキーだった。特別なことはない。パスが良かったよ」とメッシ。事もなげな様子で話したが、敵将クルス監督は「メッシが入ってからピッチの次元が完全に変わった。彼は別の銀河系からやってきたようだ」とあきれ顔だ。バロンドール(世界最優秀選手)受賞の実力を見せつけた。

 9日の欧州CLディナモ・キエフ戦で右足首をねん挫。「最後は少し痛くなった」と万全ではなかったが、影響を感じさせなかった。得点時はペナルティーエリアに走り込んでイブラヒモビッチからパスを引き出し、2タッチでボールをコントロールしてGKをかわすと左足でシュート。GKの右手に当たったボールの勢いが殺され、滑り込んだDFをやり過ごすという幸運にも恵まれた神懸かりなゴールだった。

 過密日程による選手の負担増を招くため、欧州では必ずしも歓迎されていないクラブW杯。しかし、バルサには大きな意味を持つ。昨季はスペインのクラブでは初めて欧州CLなど3冠を制し、今季は既に欧州スーパー杯など2冠を制覇。今大会に勝てば年間6冠という前人未到の快挙となる。さらに「クラブ世界一」はバルサが手にしたことがない唯一の称号だ。

 クライフ監督が率いた92年のドリームチーム、ロナウジーニョを擁した06年と、あと一歩で優勝を逃してきた。準優勝に終わった06年大会を故障で欠場したメッシは「歴史的な1年をいい形で締めくくりたい。クラブに新たな歴史を刻むまで、あと一歩なんだ」と訴えた。

 決勝の相手は母国アルゼンチンのエストゥディアンテス。9月にチーム最高年俸の1000万ユーロ(約13億円)で契約を更新し、名実ともにチームを引っ張る立場となった22歳は「06年の教訓は自信過剰にならず相手をよく知ること」と言う。自身初体験となる世界王者への挑戦。怠りはない。

続きを表示

2009年12月18日のニュース