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内部分裂…フィンケ監督 「闘莉王発言」に反論

[ 2009年8月6日 06:00 ]

5日の練習後に報道陣を集め、過去の報道について反論する浦和のフィンケ監督

 浦和のフォルカー・フィンケ監督(61)が5日、急きょ報道陣を集めて緊急会見を行った。3日にDF田中マルクス闘莉王(28)がMF三都主の放出、若手重視の選手起用に批判の声を上げたが、指揮官はこれに真っ向反論。「なぜ毎年優勝しなければいけないと言われるのかが分からない」など逆ギレとも思える発言も口にした。

 公式戦4連敗でナーバスになっているフィンケ監督が異例の行動をとった。練習後、突然、報道陣をクラブハウス内の一室に集めると、一気に持論をまくし立てた。
 「なぜ、毎年優勝しなければいけないと言われるのかが分からない。今はサッカースタイルの変換を試みている。浦和は昨季7位、現実を見る必要がある。今すぐ優勝すべきと書かれるのはおかしい」。シーズン半ばにして、まさかの優勝断念とも取れる発言に室内からどよめきが起こった。
 発端は3日の闘莉王の発言。闘将は「レッズは常に優勝しないといけない。(育成型の)スタイルづくりもいいけど、若手が成長するまで3年も待てない」と若手を重用する一方で経験豊富な三都主を放出したクラブに疑問を投げかけた。フィンケ監督はこれに反論したのだが、内容は“逆ギレ”に近いものだった。
 「過去の例からも優勝チームの主力は24~27歳で構成されている。うちは27~30歳が多い。今は世代交代の時期。レッズは初優勝まで13年かかった。リーグ優勝は1回しかない」。弁明は約1時間にも及んだ。闘莉王とは前日に緊急面談も行ったが、考え方の違いは埋まらなかったようだ。優勝が目標というのは選手全員の総意であり、選手と監督の意識の違いがより鮮明になった形だ。
 指揮官は三都主の放出に関しても「三都主を冷遇したことはない。これまでケガを繰り返した彼の体調を一番に考えていた」と自己弁護した。選手と監督の間に吹き始めた、すきま風。もはや優勝を目標とすることすらできないクラブになってしまうのか、浦和が迷走の危険性をはらんできた。

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2009年8月6日のニュース