【有馬記念】横山武 相棒エフフォーリアは「別次元」、昨夏の札幌“運命的出合い”振り返る

[ 2021年12月20日 05:30 ]

エフフォーリアとのコンビで天皇賞・秋を制した横山武(中央)。有馬記念でも勝利を目指す
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 横山武の相棒エフフォーリアとの出合いは昨夏。滞在中の札幌で調教にまたがった。「初めて乗った瞬間に“これまで乗ってきた馬とは別次元だな”と。ハッキング(ゆったりとした駆歩)の時点で明らかに違いました。言葉にするのは難しいですが、柔らかくてバネがあって体の使い方がうまい。なおかつパワーもある。走ることに関して欠点がないんです」

 横山武が絶賛する2歳馬がいる。それは瞬く間に記者の噂に。新馬戦当日は単勝1.4倍の圧倒的人気となった。

 「当時はまだ僕自身が重賞を1つ(ウインマリリン=フローラS)勝っただけだったので、さすがに“G1を勝てる”なんて言える立場ではなくて…。本当はもっと言いたかったんですけどね(笑い)」。本人としては控えめ!?ながらもデビュー前から「この馬は走る」と公言。言葉通り、皐月賞まで無傷の4連勝を飾った。

 エフフォーリアは一夏を越え、さらにパワーアップして帰ってきた。天皇賞前は、はばかることなく「今までで一番いい」と口に出した。「春ももちろん良かったですが、また一段上がっていました。(天皇賞の前は)調教の雰囲気が今までで一番良かった。自信がありました」。その自信はコントレイル、グランアレグリアの最強馬2頭を前にしても揺るがなかった。

 有馬記念も当然、メンバーは強力だ。グランプリ3連覇中のクロノジェネシスは「間違いなく強い」と一目置く存在。同馬はこれがラストランだが「空気を読むつもりはないです」。また、自身の騎乗で菊花賞を勝ったタイトルホルダーが鞍上に兄・和生を迎え、今度はライバルになる。「特別な意識はないです。もちろん、馬の癖などは聞かれれば話しますが、それは兄弟とか関係なくジョッキーとして当然のこと。レースになればライバルの一頭なので全力で倒しにいきます」

 香港カップで有終の美を飾ったラヴズオンリーユーが、国内G1未勝利も海外で3勝。年度代表馬の座を争う身として“数”においては有馬記念を勝たなければ並ぶことができない。「獲れるものは獲りたい」。競馬史に相棒エフフォーリアの名をより深く刻むためにも負けられないグランプリだ。

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2021年12月20日のニュース