【朝日杯FS】武豊 22度目挑戦で悲願初V、JRA・G1コンプリート王手!ドウデュースが2歳マイル王

[ 2021年12月20日 05:30 ]

<阪神11R・朝日杯FS>後続を振り切り勝利するドウデュースと馬上でガッツポーズの武豊騎手(撮影・亀井 直樹)
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 ついに“鬼門”を乗り越えた!2歳G1「第73回朝日杯FS」が19日に阪神競馬場で行われ、3番人気ドウデュースが中団から力強く末脚を伸ばし、無傷3連勝でG1タイトルを獲得。鞍上の武豊(52)は同レース22度目の騎乗で初制覇を果たした。これでJRA・G1・24レース完全制覇へ、残すはホープフルSのみとなった。

 ドウデュースの馬上で、武豊は心底うれしそうだった。栄光のゴールの瞬間、力強く右手でステッキを振りかざした。22度目の挑戦で朝日杯FS初制覇。ファンも知っている。拍手喝采。そのスタンドに向けて何度も何度も大きなガッツポーズをつくった。

 「ついに…(勝てました)。なかなか勝てなくて、このレースが近づいてくると今年は勝ちたいという気持ちが強くなった。いい馬なので(今年は)チャンスがあると思っていました。G1自体、久しぶりだったので凄くうれしいですね」

 JRA・G1は19年菊花賞(ワールドプレミア)以来、約2年ぶりの勝利。G1通算78勝を挙げるレジェンドも久々のお立ち台に満面の笑みを浮かべた。親交の深い馬主のキーファーズにとっても国内G1初制覇。「なかなかG1に届かなかったけど、ここで何とか勝ちたかった。表彰式でオーナー(代表の松島正昭氏)の顔を見て、本当に良かった」と感謝の気持ちを口にした。

 さすが名手、隙のないレース運びだった。スタートを決め、中団で折り合いに専念。前に1番人気セリフォスを見る形でレースを進めた。「いいところに収まったし、ペースも良かった」。直線は先に抜け出したセリフォスを目がけてゴーサインを出すと、グンと加速。メンバー最速タイの上がり3F34秒5で差し切った。「さすがに相手もしぶとかったけど、最後までドウデュースも一生懸命走ってくれた。初めて乗った時から能力を感じていました。まだまだ強くなりそうな予感がしています」と無傷3連勝のパートナーの底知れない可能性に言及した。友道師は「内の馬場が悪かったので、馬場のいい所を選んでくれた。最後もよくしのいでくれました」と鞍上に最敬礼。今後については「当面は皐月賞(4月17日、中山)を目指したい。直行になるのか、1走挟むのかジョッキーと相談して決めたいと思います」と見通しを語った。

 武豊はこれで前人未到のJRA・G1完全制覇に王手をかけた。残すは28日のホープフルS。札幌2歳S2着の実力馬アスクワイルドモアとデビューから5戦連続でコンビを組む。「リーチ一発で決めたいね」と力強く宣言。アリストテレスで挑む有馬記念、そしてホープフルS。最後の最後までレジェンドから目が離せない。 

 ◆ドウデュース 父ハーツクライ 母ダストアンドダイヤモンズ(母の父ヴィンディケーション)19年5月7日生まれ 牡2歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・キーファーズ 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績3戦3勝(重賞初勝利) 総獲得賞金9527万4000円 馬名の由来は、する+テニス用語(勝利目前の意味)。

 【朝日杯FSアラカルト】

 ☆騎手&調教師 武豊は19年菊花賞(ワールドプレミア)以来のJRA・G1通算78勝目。JRA重賞は通算346勝目。友道師は18年(アドマイヤマーズ)以来、このレース2度目のV。JRA・G1は今年の天皇賞・春(ワールドプレミア)以来通算14勝目。JRA重賞は通算51勝目。

 ☆無敗V 84年以降、無敗での同レース制覇は19年(サリオス)以来で16頭目。また無敗馬6頭出走は同レース最多。

 ☆小倉デビュー 小倉でデビューした馬が同レースを勝つのは初めて。

 ☆種牡馬 ハーツクライ産駒は19年(サリオス)以来、このレース2勝目。JRA・G1は19年有馬記念(リスグラシュー)以来通算13勝目。JRA重賞は通算71勝目。

 ☆最少馬体重 スプリットザシーは馬体重394キロで出走、84年以降の同レースにおける最少馬体重での出走となった。

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