【住之江・SGグランプリ】瓜生 大波乱GP制し5年ぶり金冠、3コースから強ツケマイ決めた

[ 2021年12月20日 05:30 ]

グランプリを制し黄金のヘルメットをかぶって感無量の瓜生(撮影・後藤 正志)
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 まさかの幕切れ…。ボートレース住之江の第36回グランプリ(SG)は19日、第12Rで優勝戦が行われ、瓜生正義(45=福岡)が3コースから強ツケマイで大本命のイン峰を退け、GP2Vを達成と同時に、賞金トップとなった。峰はブイに激突して転覆…。後続も次々と乗り上げて3艇が転覆。3連単は不成立となり返還となった。

 4コース白井の攻めを止め、返す刀でイン先制態勢の峰に対してツケマイ一閃(いっせん)!SGレース、それもグランプリ優勝戦という最高峰の舞台で最も気持ちいい勝ちっぷりで瓜生が5年ぶりの“GP王者”に輝いた。

 「信じられない…そんな感じです。ただ、コースは譲らない気持ちだったし、1コーナーは回る時に(ツケマイが)決まったと思いました」

 天才と呼ばれた男が、ここ一番で最高のターンを繰り出した。これでSG11冠。現役では松井繁に次ぐ数字=別表=だ。そして、今回の優勝で「今年は師匠(屈指のペラ巧者でカミソリスタートを武器に通算2319勝、G1・11Vで04年に引退した古賀武日児さん)の登録番号の年でもあるし、優勝したかった」という願いをかなえた。

 賞金ランク12位で今回は1stステージから。2連対率8位のエンジンを手にして「直線は一緒ぐらいあるのでひと安心」と余裕を見せていたが、初日「体感がズレていて、これではダメ」→2日目「ペラをだいぶ叩いて初日と比べると格段にいい」→3日目「ペラのベースをあまり変えずに調整して行き足から伸びはいいけどターン回りは自信ない」→4日目「ペラ調整のベース変えて乗りやすさが出てきた」→5日目「足でやられることはないけどターン回りが怪しい」と“本格化宣言”は出ないままファイナルを迎えていたが、最後の最後に最高の結果を出してみせた。

 今年3月に45歳になった。前本泰和、浜野谷憲吾、原田幸哉、辻栄蔵とマスターズ世代がSGでヒーロー(ウイナー)になった年の大トリを飾った“正義のヒーロー”瓜生は「心機一転、今日のことは心の隅へ置いて一から頑張ります」と、いつものように謙虚に今後の抱負を語った。

 ▽12RVTR 白井が動いて平本は引いたが他は突っ張り、1245・36でスタート。100メートルの深インから峰が伸ばして行く。もったと思って落とした瞬間、瓜生の強ツケマイがえぐい角度で飛んできた。全速音を聞いて慌てて握り直した峰はブイにぶつかり転覆…。そこに平本、丸野、白井、毒島が次々と乗り上げ、白井だけ脱出も他は転覆…。瓜生はグランプリ2Vも笑顔なし。白井が2着。

 ◇瓜生 正義(うりゅう・まさよし)1976年(昭51)3月5日生まれの45歳。福岡県出身。福岡支部所属の76期生として95年5月若松でデビュー。98年7月とこなめ45周年でG1初優勝。07年住之江オールスターが初VのSGは今回で11冠に。同期に魚谷智之、原田幸哉らがいる。1メートル59、血液型A。

 《次走》峰竜太は31日からのからつ一般戦に出場し深川真二、上野真之介らと対戦する。丸野一樹は1月3日からのびわこ一般戦で君島秀三、馬場貴也らと対決する。平本真之は30日からのとこなめ一般戦で丹下将、磯部誠らが相手。瓜生正義は29日からの芦屋一般戦で石川真二、枝尾賢らと相まみえる。白井英治は27日からの徳山一般戦で海野康志郎、長岡良也らと覇権を争う。毒島誠は1月2日からの桐生一般戦スポーツニッポン杯で山崎智也、土屋智則らと激突する。

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