【小倉記念】ファルコニア 夏真っ盛り、良血が本格化 坂路でラスト全開

[ 2021年8月12日 05:30 ]

坂路2本目を駆け上がるファルコニア
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 良血が目覚めた。サマー2000シリーズ第3戦「第57回小倉記念」(15日、小倉)の追い切りが11日に行われ、ディープインパクト産駒ファルコニア(牡4=高野)が栗東坂路で抜群の動きを披露した。勝利経験がある小倉で重賞初制覇を目指す。

 理想通りの時計だった。4歳を迎え、本格化を遂げた良血ファルコニアは坂路で最終追い切り。小倉への長距離輸送を考慮して序盤は折り合い重視。回転の速い脚さばきで少しずつピッチを上げ、残り1Fで乗り役がビッシリ追い出すと、一気にギアを上げた。一歩一歩が力強く、出来の良さが際立つ。4F53秒1~1F12秒0の数字以上の迫力でフィニッシュした。

 高野師は「とても良かった」と満面の笑み。3週前に放牧先から帰厩後はここに照準を合わせ、入念に乗り込んだ。「4日(4F51秒3)に坂路で負荷をかけたので、今週は体内のエネルギーを出し尽くさないように調整。文句なしの動きでした」と誇らしげに語る。

 デビューから所属していた角居厩舎の解散後に高野厩舎へ。転厩初戦から2勝クラス、3勝クラスを連勝し、オープン入りを決めた。昨秋の神戸新聞杯(16着)以来4度目の重賞チャレンジとなった前走・エプソムCは発馬で遅れたものの、その後の対処が素晴らしい。経済コースを上手に立ち回り、勝ち馬ザダルから0秒3差の3着に入った。

 「あの出遅れで上位に来たのだから凄い。ジョッキー(川田)のパワープレーでした。今回は駐立の練習をみっちりこなしてきた。経験を積みながら確実に良くはなっている。あとは五分のスタートを願います」

 左回りで直線の長い東京から平たん小回りの小倉とコース形態はガラリと替わるが、同舞台は20年冬のあすなろ賞で勝利経験がある。スタート五分ならスッと前に行ける先行力に加え、自在に動ける機動力を兼ね備えており、本来は小回り向きの脚質。指揮官は「開幕週は合うし、小倉もいい。転厩してから今回が一番の雰囲気ですよ」と期待を膨らませた。猛スピードで進化する良血が課題のスタート克服で初タイトル奪取へ。秋の飛躍につなげる。

 《ディープ産駒、当地毎年好走》ディープインパクト産駒は過去10年で2勝、2着4回、3着2回。16年覇者クランモンタナ以降は17年3着フェルメッツァ、19年2着カデナ、20年2着サトノガーネットと、出走馬が不在だった18年を除き毎年好走馬が出ている。重賞初制覇が懸かる同産駒ファルコニアにとって、当地参戦はプラス材料だ。

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2021年8月12日のニュース