【函館新馬戦】友道師“特性”見極め狙い撃ち!ジャスティンスカイ洋芝でパワー勝負

[ 2021年7月27日 05:30 ]

Road to 2022

ジャスティンスカイ(撮影・千葉茂)
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 中央競馬は今週も2場開催。例年なら札幌が開幕している北海道シリーズは今夏札幌→函館→札幌の日程順変更に伴い、函館で熱闘続行。8月1日に函館競馬場では史上初めての「芝2000メートルの新馬戦」が行われる。注目は新種牡馬キタサンブラック産駒のジャスティンスカイ(牡=友道)だ。例年函館デビューは少ない同厩舎が、適性を見極めて北の地に送り込む。戦略通りにクラシックへと羽ばたくか。

 「オープン馬の宝庫」友道軍団が今夏北海道シリーズ初の芝2000メートル新馬戦に逸材を送る。新種牡馬キタサンブラック産駒のジャスティンスカイだ。19年1月19日に同産駒で真っ先に誕生した“長男”。120年以上の伝統を誇る函館競馬場で「芝2000メートルの2歳戦」が行われるのは未勝利戦も含めて初めて。例年と違う北海道開催の日程変更が“新レース誕生”を後押しした形だ。

 友道厩舎といえば、逸材は関西圏の京都(現在は休催)、阪神、中京でデビューすることが通例だった。なぜ函館?愛馬の特性を見抜き、北の地に来た。14日にルメールを背に芝コースで4F54秒6(馬なり)。21日の1週前追いを函館で視察した同師は「お父さんの特徴がよく出ていて、いいスピードが長く使えそう。ルメールさんも“父に似たワンペースの馬”と。阪神や中京や小倉でヨーイドンの瞬発力勝負だと、切れ負けする恐れもある。馬っぷりも良くて、パワータイプ。なので洋芝の函館に連れてきた」と説明した。函館に敷かれている洋芝は野芝より力が必要で時計がかかるといわれる。スカイは510キロ近くある父譲りの大型馬。「ゲートはさほど速くないと思うけど、2000メートルあればカバーできると思う。お父さんみたいな競馬ができれば」と強力先行でG1・7勝を積み上げた父をイメージしている。

 現2歳が初世代の父の産駒は18日小倉芝1800メートルでコナブラックが待望のJRA初勝利。1800、2000メートルの新馬戦が多くなるこれからが本領発揮だ。「久しぶりに見たけど、体も締まっていい感じ。牧場時代からここまで本当に順調にきたので楽しみ」

 昨夏は札幌芝2000メートルの新馬戦を勝ったエフフォーリアが皐月賞V、ダービー2着と大活躍した。今夏初の北海道の芝2000メートル新馬戦。指揮官の戦略通りにスカイが初陣Vを飾れば、ダービー2勝、G1通算13勝の名トレーナーに再びクラシックの夢が膨らんでくる。

 《異例函館デビュー》友道厩舎の新馬は関西主要場の京都(23勝)、阪神(18勝)、中京(9勝)でのデビューが圧倒的に多い。関東主要場の東京や中山の初陣はほとんどなく、東京での新馬Vは意外にもゼロ。例年の函館開催(6月中旬~7月下旬)の時は同時開催の阪神、中京が中心。18年ダービー馬ワグネリアンは函館開催中の17年7月16日に中京2000メートルの新馬V。これまで函館でデビューした馬は7頭と少なく、勝ったのはデルマキセキ(17年6月芝1200メートル)1頭。同じ北海道でも例年7月下旬に開幕する札幌は参戦も多く8勝。11年8月札幌芝1800メートルでデビュー勝ちしたヴィルシーナは13、14年ヴィクトリアマイル連覇と出世した。

 《函館デビュー勝ち馬はゴールドシップなど名馬ばかり》函館新馬戦の上限距離はこれまで芝1800メートルだった。そして同距離からG1馬が多数出ている。代表は11年7月に新馬Vを飾った芦毛の名馬ゴールドシップだ。3歳時に皐月賞、菊花賞、有馬記念、4歳の宝塚記念、5歳の宝塚記念、6歳の天皇賞・春でG1・6勝と出世した。天皇賞・春を制したメジロブライトは96年新馬V。後にジャパンCを制したアドマイヤムーンの05年新馬Vは突然の豪雨(発表は良)の中、最後方16番手から15頭ごぼう抜きの衝撃デビュー。昨夏初陣を飾った白毛の女王ソダシは阪神JF、桜花賞でG1・2勝と絶賛活躍中だ。

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2021年7月27日のニュース