【フェブラリーS】武豊がインティの“逃魂”再点火!王座奪回狙う衰え知らずの7歳馬

[ 2021年2月17日 05:30 ]

坂路でキャンター調整するインティ
Photo By 提供写真

 昨秋スタートした「G1テーマパーク」をこの春もお届け。テーマ別にさまざまな角度からレースを分析し、狙い馬をピックアップする。JRA・G1開幕戦「第38回フェブラリーS」で隔年Vにチャレンジするのが19年の覇者インティだ。あれ以来、勝ち星から遠ざかっているが、地力は確か。このレース最多5勝の頼れる鞍上・武豊(51)が復活に導く。

 王座奪回へ。一昨年の覇者インティが冬の東京ダート決戦で奮い立つ。1番人気に支持された前走・東海Sは12着とまさかの惨敗に終わった。スタート後、他馬と競り合い、テンから脚を使わざるを得ない展開。行き切ったものの前半1000メートルを59秒3で入り、4コーナーで手応えをなくしてしまった。脚抜きのいい不良ダートとはいえ、ちょっとペースがきつかったか。それだけに評価を下げる必要のない敗戦だ。

 もちろん、このまま引き下がるわけにはいかない。今年7歳になったが稽古の動きから年齢的な衰えは一切、感じられない。10日の1週前追い切りは栗東CWコース単走でテンから軽快にラップを刻み、6F81秒7~1F12秒0と直線シャープな伸び。気持ちも体も、いい意味で若さがある。全休日明けのこの日はサッと坂路を駆け上がり、今日の最終追い切りに備えた。野中師の感触がいい。

 「1週前は楽にいい時計が出たし、日曜(坂路4F58秒1~14秒0)の動きも本当に良かった。体も絞れて態勢は整いつつある」

 一昨年のこのレースは7連勝でG1初制覇を成し遂げた。振り返れば、あれから勝ち星を手にしていない。昨年このレースは14着と首をひねる負け方だったが2走前のチャンピオンズC3着を見ても地力は確か。復権を期して、この中間は懸命に調整を続けてきた。

 「いかに自分のリズムで運べるか、だろうね。おととし勝っているレースだし、当時と比べても落ちている感じはないから」

 あとひと追いで態勢はキッチリ整う。陣営としてはベストの状態に仕上げて当日、送り出すのみ。手綱を任される武豊は「今年最初のG1で個人的には(3月15日生まれのため)51歳で挑む最後のG1。何とか結果を出したい」と意気込む。どの位置取りになったとしても道中リズム良く運べば、きっとしまいは脚を使える。勝てば、このレース初の隔年V。人馬一体で再び頂上にアタックする。

 【同レース初快挙へ】フェブラリーSを2勝したのは14、15年連覇のコパノリッキーのみ。インティが隔年Vを達成すれば同レース史上初の快挙となる。JRAの全G1でも、連覇を除く同一G12勝は過去に5例しかないレアケースだ。また、鞍上の武豊は過去5勝を挙げており、同レースの最多勝ジョッキー。自身の記録を更新する前人未到の6勝目を狙う。

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2021年2月17日のニュース