原優介、猛勉強で歩む“2勝目への道”

[ 2020年7月15日 05:30 ]

期待の若手騎手に聞く

原優介
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 3月1日のデビュー以来、ここまで1勝の原優介(20)。「デビューしてしばらくは他厩舎からもバックアップしていただいて、いい馬に乗せてもらったのにチャンスを生かせなかった。下手くそでした」と振り返った。初勝利は4月5日。今年デビューした4人の中では一番遅かった。

 その後は所属する武井厩舎のスタッフに支えられ、技術向上に励む日々。武井師には毎週、リポートの提出を求められている。「土日のレースのVTRを各レース10回ずつ見直しています。土曜120回、日曜120回です。それぞれのレースを見て感じたことや対応策。自分が騎乗したレースは反省点や改善点。1レースにつきB5サイズに1枚半ずつ書いています。土曜だけで7~8時間はかかります」。この“猛勉強”のおかげで課題だったスタートは改善された。「出遅れる原因が分かり、苦手だったスタートが得意になりました。今はだいたい、前めにつけられます。以前にチャンスをいただいた馬も今ならもう少しうまく乗れると思います」

 東京・調布の一般家庭に生まれ、部活動では水泳に励んだ。中学卒業後に競馬学校入学を考えたが、母親の猛反対で一度は高校へ進学。夢を諦められず、1年で退学して騎手の道へ入った。乗馬経験者との差を埋めるため、必死の毎日を送った。「何とかなるだろうと思っていましたが、こんなに違うのかと。騎手の体験ができるゲームがありますが全然違いました。以前は調教と競馬を分けて考えられなかったのですが、競馬はいかに流れが大事なのかが分かりました」。日々わずかかもしれないが、原は騎手道を前進している。

 ▼武井師 順調に育っているが、まだまだ足りない。馬を動かせていないので3キロ減の恩恵を生かせていない。性格は現代っ子。競馬に対する認識が甘いのでリポートを提出させている。人気薄をよく持ってきてはいるが、あの競馬では勝てない。勝つためにはどうポジショニングをすればいいのか、そのあたりを考えてほしい。

 ◆原 優介(はら・ゆうすけ)2000年(平12)6月10日生まれ、東京都出身の20歳。美浦・武井厩舎所属。今年3月1日にデビューし、4月5日の中山12Rタイキダイヤモンドで初勝利。JRA通算128戦1勝(7月14日現在)。憧れの騎手は津村。1メートル58、47キロ。血液型B。

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2020年7月15日のニュース